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般若心経瞑想法

価格: ¥3,059
カテゴリ: 単行本
ブランド: 平河出版社
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般若心経の謎を解く ★★★★★
著者は『般若心経には【謎】があり、それに対する解釈の誤りが流布している。』と指摘する。
【謎1】大乗仏教と小乗仏教の差別を前提に考えるのは何故か? 
【謎2】観自在菩薩が般若波羅蜜多を行じているのは何故か? 
【謎3】是故空中。無色無受想行識。無眼耳鼻舌身意。無色声香味触法。無眼界乃至無意識界。」と述べて、釈迦の説いた「蘊処三科の法門」を否定するのは何故か? 
【謎4】「無無明亦 無無明尽。乃至無老死 亦無老死尽。無苦集滅道。」と述べて、「四諦・十二因縁」を否定するのは何故か?

【謎1】の答として、著者は雑阿含経33・11(安井廣度著『阿含経』に所収)を示す。この経は大正新脩大藏經の雑阿含経929である。在家修行者がなすべき八つの修行方法を自らが行うだけでなく、他人にも教えて共に成就することを説いている。小乗と言われる阿含経典に大乗の修行方法の基本がすでに説かれていたという文証である。この文証はダンマパダ158と同じ趣旨を述べており、信頼できる。
【謎2】の答として、著者は三身を活用した瞑想修行方法であると指摘する。つまり、般若波羅蜜多菩薩(法身)の智慧獲得の瞑想を行ずるためには、凡夫が衆生救済の誓願を持つ観自在菩薩(報身)に変身する必要があり、それによって釈尊(応身)の境涯を得ることが出来ると言うものである。この解釈は、著者の慧眼である。
【謎3】の答として、著者は次のように指摘する。すなわち、「蘊処三科」は本来、釈尊の説かれた「諸行無常、諸法無我」である。この「蘊処三科」を有部や唯識派の一部のように「実在」と考えるならば、「空(すなわち縁起の法)」という釈尊の教法ではない。
【謎4】の答は、『阿耨多羅三藐三菩提(無上正遍智)は「空」の(理解の)中にはなく、「空」を超えたところ(空の体得、実体験)にある。』と著者は指摘する。つまり、般若心経の教えを理解するだけでは悟りの智慧は得られず、四沙門果の修行が必要であることを示唆している。