取り上げている技法の数は42で、ティーチングのポイントとなる職務や活動ごとに12項目に分類。ほぼ実際のティーチングの手順に沿って、授業のシラバスなどの「準備」に始まり、「多様な学生集団への対応」、「ディスカッションの戦略」、講義の仕方などの「授業の戦略」、「文章力および宿題」、「試験および成績評価」などの技法を掲載している。
500ページのボリュームがあり、「リファレンス・ブックとして利用できるように作られた実用的な資料集」として編集されているが、ここで紹介しているアイデアや提言には、重複する部分や矛盾がないわけではない。肝心なことは、さまざまな提言の中から自分が置かれた状況に最も適したものを選択していくことだ、と著者は説く。ベテラン教員も含め、本書で紹介された“授業の道具”を巧みに駆使すれば、授業が格段に充実したものとなるに違いない。(清水英孝)