良い本だと思います。
★★★★★
北野映画のファンで、映画の中に流れる情感豊かな音楽にいつも感動していました。
サウンド・トラックなども買ったりしてて、この人の音楽を聴かない日はほとんど無い位、よく聴いています。
もちろん、ジブリ作品の音楽の素晴らしさも忘れてはいけない要素です。
「あの夏へ」を聴いたときは泣きました・・・。
そんな人の本ですが、なんとなくタイトルが気に入らず・・・、今まで手にとって読んだりはしてなかったのですが、このたび、ようやく読んでみました。
意外、と言ったら失礼ですが、面白かったです。
ここ最近、難しい本ばかり読んできたせいか、スラスラ読めたし、分かりやすかったです。
そして、特筆すべき点がひとつ。
僕は「苦労は買ってでもしろ」という言葉が大嫌いなのですが、本書で著者が「「苦労は買ってでもしろ」は嘘だと思う。僕は苦労はあまりしないほうが良いと思う。」
と、書いてあったところには、まったく同じ考えが活字になって出てきたので、ビックリしてしまいました。
苦労は最小限に抑えた方が良いでしょう、過剰な苦労は妙な自負心につながり、苦労が目的になってしまい、物の本質が分かりづらくなってしまいます。
楽をしようぜ、と言うわけではないのです。
ここで僕の考えを述べていても仕方ないのでこの辺にしときますが、全編通して、この本は良書の部類に入るものだと思います。
音楽家必携の一冊
★★★★★
久石さんといえば商業音楽のイメージが強かったのですが、こんなにバランスの取れた考え方をする人だとは存じ上げませんでした。音楽を志す方には、立ち止まって考えるのに非常に良い一冊かと思います。
芸術と商業の間で
★★★★★
どうしても付きまとう芸術OR商業という悩みに1つの答えをだしてくれます!!
久石さんは芸術家でもありマーケッターでもあるんですね。
分野は若干異なりますが、小室哲哉さんも近いことを言っています。芸術音楽と商業音楽のどちらをとるべきか悩んだ時期がある、と。
音楽の分野に関わらず、自分を表現しようとする人が当たる壁。そこに1つの答えを見出してくれます。
みんなに愛される久石音楽。説得力あります。
映画好きな方におすすめ
★★★★☆
「感動をつくれますか?」という題名だけれど、「感動」とか
「人の心を揺さぶる」というよりは、ご自分の仕事の仕方、
映画音楽とは? 映画とは? 仕事とは? 商業音楽とは? というような
内容の本でした。
面白かったのは、黒澤明監督の「野良犬」という映画での
音楽の使い方のくだり。
その映画を見たことはまだありませんが、
久石さんの本を読むだけでも、その発想のすばらしさが垣間見れます。
映画の話がたくさん出てきて、ご一緒に仕事をされている
北野監督、宮崎監督の話もたくさん出ているし、
執筆当時オファーが多かったらしく、韓国や中国の映画業界の話も
読むことが出来ます。
映画好きな方、映画音楽について関心がある方、
音楽(特に作曲)を仕事にしようと思っている方には特にオススメです。
ちょっとお説教臭い
★★☆☆☆
久石譲の音楽は、ナウシカ以来のファンだ。最近は CM でもしばしば現れ、「あ、久石譲節だ」とすぐ分かる。その久石譲が自作を語るのだと思って、勇んで買った。
が、読んでみると、抽象的な話が多くて、ちょっと退屈。期待したのは、具体的な曲や映画のエピソードだった。それが、一般的な曲つくりのプロセスや、心構えがほとんどで、最後の方は説教があったりして、彼の音楽の醍醐味が伝わってこない。まあ、期待通りでも、音楽の説明を紙でするのは、よほど曲を知っていないと仕方ないし、どうせ無理があったのかも。これは、DVD でやる仕事ですよね。おっと、そうなると著作権のクリアがとっても大変。むずかしいなあ。