お膳立ては揃ったのに
★★★☆☆
前作「ブラコン処方箋」で、自立してゆく弟にむける和紀の切ない思いとか、そんな和紀を強引にモノにしちゃった先輩・京悟の優しいんだけど腹黒いところとか、その辺がかなりツボだったので、続編を見つけて嬉しかったんですが……。
膝のケガで入院してきた年下Jリーガーに和紀が懐かれ、京悟が嫉妬する展開、いいよねー。中々素直になれず「好きだ」とまだ言えない和紀、いいよねー。
と、ストーリー的には面白いし、うえださんの文章は読みやすく上手い。なのにいまいち乗りきれなかったのは、スパイスである年下クンに和紀がまったく気持ちを揺らされてないこと。いやに冷静に自己分析したりして。京悟のちょっとした嘘でケンカ……になりそうなんだけど、二人とも頭良すぎてオトナなんで私的にはどーも熱が足りないのです。
医師同士の恋愛や病院内の描写なんかは良かったけど、主にラブ面で物足りなさが否めず。京悟、もっと腹黒くても良かったのにな。