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Protest Songs

価格: ¥471
カテゴリ: CD
ブランド: Sony/Bmg Int'l
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彼ら自身の青春の蒼さが詰まった珠玉の一枚  ★★★★★
 僕はT.ドルビー・プロデュース時代の蒼いエコーが大好きで、そちらの作品群の方が完成度が高いと思ってるファンだが、それでも80年代半ばの素の彼らがむき出しになっている本盤も大好きだ。「Swoon」に聴き応えが近いという意見には僕も賛成で、他作品に較べると地味な音に聴こえるんだけど、全盛期の彼らが持ってた「切なさ」はきっちり伝わってきます。

 版によって色使いが若干違い、そのくせ結局どれも妙に地味なジャケ・デザインも含めて(笑)、この未完成で生っぽい感じが、そのまんまリスナーにとっては青春時代の未熟さや若さの味になって伝わってくるというマジックを纏った作品です。 

 音的には、当時の他の盤に較べるとウェンディ嬢の声の比重が若干低かったり、ギター一本のパディの弾き語りがあったりと、この盤でしか聴けない味も多彩です。
2nd完成後、2週間で仕上げられた作品 ★★★★☆
89年発表の4枚目。トーマス・ドルビーのプロデュースによる2nd完成直後にパディ自身のプロデュースによって2週間で完成された作品である。パディの意志としては2ndと本作を一緒に発表したかったようだが、商業的な思惑もあって見送られ結局はオクラ入り。3rd発表後にやっと日の目を見た。パディにしてみれば作品のクオリティはプロデューサーの力だけではない・・・とでも言いたかったのかもしれないが、2ndと本作を比べてみるとやはり質感が異なり、トーマス・ドルビーの力を認めざるを得ない。曲そのものは2ndや3rdと同等のクオリティを持っており、かつアレンジも特に違いはない。しかしながら全体としての音はなぜかショポくデモ・テープのようにも聞こえてしまうのだ。これは音響的な部分、特にミックスやエフェクト、そして音の録り方の違いによるものだと思うが、それが明確に分かる。若気の至りと言ってしまえばそれまでだが、この作品は誰かプロデューサーを立てて作り直せば、いとも簡単に従来通りの彼ららしい名盤に生まれ変わることであろう。しかしながらこの作品は彼らの素の姿を表した、もしかするとそれを表したかった作品であり、そこに意味があるのだと思う。1.は曲、アレンジそのものは3rdと大差はないものの、露骨にリズム・マシーンだと分かるチープさが見えかくれしている。2.もエレガントな素晴らしい曲で曲そのものはやはり3rdと大差はない。
全体的には彼らの作品にしてはライヴっぽい作りでもあるので、そいうったラフさを楽しむのもオツかもしれない。
ワンアンドオンリーのソングライティング ★★★★★
数あるプリファブスプラウトの名盤のうち、パディ・マクアルーンのソングライティング
の独自性が最も開花しているのが本盤といえます。

「World awake」「 Diana」「 Talkin' scarlet 」が白眉。

AメロとBメロ。Bメロは、Aメロが与える感覚を少し裏切ったぐらいのサプライズを与え、
また懐かしいAメロに戻ったときに非常に居心地の良さを感じさせるものです。

ところがパディは裏切りすぎ。凡人には全く想像もつかない繊細で美しい旋律が次々と紡が
れます。一聴意外な展開ですが、この天才にとって絶対に必然性があることが痛いほどわか
ってきます。


不遇な扱いを受けたダイヤモンドの原石のような楽曲集 ★★★★★
 製作は1985年だが、1989年の冬にリリースされたプレハブの4枚目のアルバム、「スティーブマックイーン」の大ヒットを受けて制作されたが「スティーブ」がヒット中に新作をリリースするのは思わしくないという理由でお蔵入りにされたらしい。日の目を見たのが「ラングレーパーク」をリリースした後だったので、内容が地味なのを理由に、「スティーブ」よりも売れないとレコード会社が心配したので遅れたのかもしれない。このアルバムはファンにとってはよくぞ作ってくれたという渋い内容で、僕は「ヨルダン」の次に本作が好きだ。「ライフオブサプライス」がベスト盤に収録されて目立っているが、このアルバムのベストトラックは1曲目だと思う。このアルバムの中ではもっともキャッチーな作品で「ラングレー」に収録されてもおかしくない曲だ。トーマスドルビーがプロデュースしなくても充分にやっていけることを証明している曲でもある。まるで60年代のようなシンプルな楽曲だが、1曲1曲のそれぞれの良さを知ってしまうと離れられなくなるほどハマッてしまう。このアルバムがリリースされた当時は2月の寒い夜中にミルクティーを作ってこのアルバムをよく聴いていたが、福山のミルクティーよりもこっちの方がミルクティーのイメージに似合っている。平成元年にリリースされた理由は「ヨルダン」の制作が遅れていたので中継ぎ的にリリースされたのかもしれない。
不思議な気品を湛えた一枚 ★★★★★
Thomas Dolbyがプロデューサーとして彼らの主要作に与えた影響は
大きい訳ですが、彼が絡まずともこの音、この世界観。
彼らの核の部分が垣間見える作品。
最初は地味に感じるかもしれませんが、基本的に静かなこれらの
トラックにはいささかのベタさも無く、ノスタルジックな曲に
ありがちな自己陶酔も感じられません。抑制とヒネリの効いた
西欧的叙情がにじんでおり、それは経年劣化に耐えうる普遍性を
持ち得ているように感じます。ファン歴が長くなるにつれジワジワと
評価が高まり、ついには多くのファンに「一番好き」と言わせて
しまう不思議な一枚。