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ガラパゴス化する日本の製造業

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 東洋経済新報社
Amazon.co.jpで確認
日本製品のガラパゴス化を知る入門書 ★★★☆☆
だいたいイメージではわかっているんだけど、表面上のことしか思い浮かばない・・・といった日本製品のガラパゴス化。本書にはなぜ日本製品が”ガラパゴス化”と呼ばれるようになったのかがわかりやすく書かれているので、頭の中が整理できます。

ただし、「製造業」と銘打ちながらも話の中心は半導体ばかりで、いまいち網羅性に欠けるというか、話の規模がこじんまりしている印象を受けます。最期の(本著の見せ場と思われる)自動車についての言及も同様で、ちょっとインパクトに欠けました。
半導体以外ではパソコンとテレビのコモディティ化や水平分業の話が出てきますが、これはイノベーションのジレンマそのもの。クレイトン・クリステンセンの同著を読んでいれば、特別目新しい話はありません。
イノベーションのジレンマと違うのは、欧米韓台etc.の企業を参考にしながらマネジメントやIP(知的財産)を強化しつつも、日本の独自技術で勝負していこうじゃないか!という日本サイドから見た示唆が述べられているところでしょうか。
かつての「世界市場の底辺から頂点までを席巻した日本」というのは過去の遺産であって、これからは量を求めるのではなく「日本企業たらしめるものとは?」に重点を置くべき、と考える私にとっては共感できる方向性でした。
特化戦略or垂直統合 ★★★★☆
日本の製造業は、垂直統合のフルラインナップで自社及び関連会社で製造から販売まで行う。それも日本人だけにしかニーズがないような商品を作るため海外では売れないし、そこに大手企業が同士が限られたパイを奪い合っている。対して台湾は製造だけに特化していて製品も標準化しているため大量生産が可能で効率的に製造できるため利益率が20%以上も企業もある。また税制上も6〜8%と製造業は優遇されているという。しかし、利益率が低い日本の製造業も電子部品に関しては独自の技術が世界中で使われているため、シェア、利益率が非常に高い企業もある。大手企業は雇用など外部に与える影響が非常に多いためすぐには事業を絞り込んだり特定の分野に特化することは難しいようだ。今後合併統合など企業再編があるか注目である。
文系の敗北 ★★★★★
日本の製造業は20年ほど前から、余りにも日本国内の市場しか見てこなかったという批判が一部にあった。そして現在、それが顕著となってきた。その原因として、本書は技術の観点から示そうとしている。
確かに日本の技術者は優秀であったが、どう活かすべきかについては、方向性を見誤っていたとしか言いようがない。その原因の大きなものは、マーケティングの失敗、日本の技術を国際的に流通させるのに外務省の交渉能力の弱さにあると考える。
それ以前に、日本の製造業自体が、文系の管理職が余りにも日本市場にしか目を向けてこなかった事が大きな問題であるのだが。
豊富なデータ、個別の情報は詳し過ぎるくらい ★★★★★
出版されてすでに少し経っていますが、最近この本のタイトルのような話題に興味があり読みました。
「ガラパゴス化」最近よく使われていますが、その詳細がこの本では明らかになりました。この本では主にエレクトロニクス関係、半導体や液晶パネルなどを中心に、日本とそして韓国、台湾、中国本土の企業に関しての対比を行っています。データや個別の企業体にかかわるようなかなり詳細なデータが挙げられており、そこからの考察は客観性に富んでいます。

私自身、エレクトロニクス関係にあまり詳しくないので、具体例の詳細をすべて把握することができませんでしたが、3章、4章の台湾・韓国の具体事例は参考に、5章以降の考察をメインに読みました。

詳しく書かれているので、詳細を挙げると切りがないのですが、現状の状態についてキーワード的に取り上げると、
・内需中心に発展してきた日本企業と、元々グローバル化を意識している台湾・韓国企業
・国内向けに求められる高機能・高い品質・高価格製品、一方海外で要求されるのは必要範囲の機能、
 そこそこの品質の低価格製品。ダブルスタンダード化
・企業や人材に対する国を挙げた戦略の有無
・改革しづらい日本企業の風  など

今後の日本が勝ち抜くための条件としては、
・価格競争に巻き込まれる直接勝負は避けるべき
・すりあせ技術、アナログ技術、機械的機構を含む製品などに依然強みがある
・日本の電子部品専業メーカーは見習うべきところが多い
・環境技術など高度な技術が生かせるような国際ルールの制定化、国際交渉力強化の断行  など

エレクトロニクス分野が中心ですが、最終章では自動車産業にも触れられており、日本の製造業に関する現状と今後について、参考になりました。
家電業界、再編まったなし ★★★☆☆
家電量販店に行くと、
えらい安い液晶テレビとパソコンがある。
メーカー名は聞いたことがない。

なんでこんなに安いの?
そのワケがそうとう細かく解説されています。

人件費が低い中国・台湾生産だからだろう。
と思っていたのですが、ちょっと違いました。

この考えには、「安かろう悪かろう」の考えが
入り込んでいると思いますが、
事情はそんなに簡単でないようです。
(安かろう悪かろう、と思いたい日本人製造業者の気持ちが
 業界の改革を遅らせている面も多々なんじゃないかな)

台湾メーカー群の分業体制、低稼働でも高利益な体質。
驚くべき進化を遂げています。

高付加価値化しすぎて、他国(いや国内でも?)では
売れなくなくなりつつある日本の家電。
日本の製造業が、どういう環境にさらされているか。
その厳しい現実を直視できる一冊です。

5年後か、10年後か、
家電売り場はきっと激変していると思います。
テレビ・PCに限らず、他AV・白物家電も
半分は非国産メーカーになっている可能性、大。
家電に限らず、自動車を始めとした製造業は
マスキー法みたいな国際ルールを策定しないと
再編・買収の波に飲まれて淘汰されるんじゃないでしょうか。