世の中には、嫉妬で苦しんでいる人、苦しんだことのある人は多い。私もそのうちのひとりだ。本書でくりかえし述べられる「嫉妬は選択できるもの」という発想に、なんだか救われる思いがした。人が焼きもちを焼く裏には、たしかに育った環境や文化の影響がある。著者がいうように、嫉妬とさよならするか一生つき合うかは自分次第。恋人が別な相手に愛情を注ぐとき、大切な人を失うのではと不安がるのではなく、恋人のウキウキした気持ちのほうに意識を向け、これでまた世界が広がると考えれば、嫉妬を克服するのも夢ではないのだ。そんな鬱屈したマイナス思考を追い払いたい、人と純粋にかかわって愛し合いたいという方は、ぜひ本書を一読していただきたい。宝石のような愛の本質がひょっとしたら見えてくるだろう。