この本で書いてある要約力とは、情報の要点をつかんで手短に集約し、かつ全体像をしっかり理解すること。

要約力があれば、情報収集やコミュニケーションがスムーズになり、ついでは意思決定のスピード化につながり、仕事が速くなる。

要約には第一段階と第二段階に分けられる。
第一段階とは、ただ情報を収集して、それを要約し、整理・分類するだけのこと。第二段階では複数の第一段階の要約をもとに仮説をたて、それを検証し、オリジナルな要約をつくること。これが個人の「独創性」「オリジナリティ」につながる。

要約力という点については、以上のことがこの本で参考になった。

・情報洪水を如何に泳ぎ切るか、鍵は要約力のようだ。
・本書から得られたポイントは以下の通り。
　−1日十万個の脳細胞が死ぬ＝30年間で1%しか死なない
　−イギリスの認知精神医学者マグワイヤの研究によると
　　「歳を取っても脳を使っていれば神経細胞は増え続ける」との示唆あり
　−要約には１．ストックと２．フローがある。
　　１．は情報の圧縮。２．が目的に応じて整理・統合され強化されたもの。
　　２．の段階を要約カプセルと呼び、そこまでいくと活用が可能となるようだ。
　−要約力強化には要約メモを取るのが良いようだ。
　　ポイントは以下の３点
　　１．要約すべきところを箇条書きにする（50字以下／1項目）
　　２．箇条書きの項目は１０項目以下
　　３．前後の因果関係・相互関係から全体の文脈が見えること

私は和田さんの著書を何冊か読みましたが、
これが一番気持ちよく読めました。
元々、余計な話はいらないと思っているからかもしれません。
何冊か読んでいるうちに、
「他の本と同じじゃないか」「これは関係ないだろ」と
ツッコミしたい時もありますからね（笑）
これは図式し、要点をまとめ、わかりやすくしています。
この一冊で足りるかもしれません。
特に仕事で役立てたいと思っている人にオススメです。

既存の新聞やニュースなどのメディアだけでなく、インターネットなどが現れ情報が氾濫し、
さらに、ビジネスにおいてはスピーディーな意思決定・行動が求められるなか、
「要約力」（情報収集と情報加工）を身に付けることが必要である。

この本は、要約の方法自体についてはあまり触れておらず、

情報の収集方法やメディアに対する姿勢、情報を加工し自分のものにするためのポイント等を
ビジネスにおいての具体例や心理学的を用いながら示している。

実際に読者が例題を解きつつ読み進める「○○○を鍛えるトレーニングブック」のような内容を期待すると、
「要約力」の理論と必要性に重点が置かれているため物足りなく思う人もいると思う。

理論や方法論だけ与えられて、自分で実践していける人なら満足度と評価は高くなると思う。

この本は、あとがきにもあるように和田さんがたくさん書く本の中でも、かなり思い入れをこめて書いたようだ。和田秀樹の優秀さの源流といったところか。