インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

イノベーションの収益化―技術経営の課題と分析

価格: ¥3,780
カテゴリ: 単行本
ブランド: 有斐閣
Amazon.co.jpで確認
教科書という割には ★★★☆☆
本書はMOTの教科書として執筆されている。基本的にケースを中心として一般化しようとしているのである。
しかし、これは一般に言われていることをまとめたとも言い難い。役に立つ学問として分析手法を紹介しているわけでもない。各章で学ばせたいことは何なのかが今一つ見えてこない。
技術経営に関する学術的分析本 ★★★★☆
本書は、「イノベーションをいかに収益に結びつけるか」ということに関して、イノベーション研究の大家が、学術的な視点から考察を加えるものである。

日本企業は高い技術力を誇るが、その技術力が収益に結びつかず苦慮しているケースが多い。著者は、その問題意識のもと、イノベーションに関する先攻研究や、その収益化の成否事例を紹介することにより、イノベーションを収益化するための洞察を加える。特に、「統合企業のジレンマ」という概念は、鋭く的を射た考察とよべる。

本書では、唯一絶対の処方箋が提示されている訳ではない。イノベーションが各企業により多様なだけ、イノベーションの収益化にも多様なアプローチがあるからである。しかし、本書で提起されている問題意識を持つことは、技術経営を考える上で必要だろう。

値段が3,780円と少し割高なのが玉に瑕であるが、技術経営やイノベーションを学ぶ際の必読書といえる。
技術革新の成果をいかに企業収益につなげるか ★★★★★
企業は研究開発(Research & Development) などの活動を通じて、技術イノベーションを推進する。しかし、イノベーションの技術的成果から収益力の高い事業が生まれるのかは別問題である。イノベーションの成果をいかにして企業の高い収益に結びつけるか。技術経営(Management of Technology: MOT) におけるこの重要な課題について、本書では複数の事例分析などから議論・洞察が展開される。

特筆すべきは、著者が示す本書独自の2つの概念だ。1つは製品アーキテクチャの「利益プロファイル」(profit profile)という概念である 。もう1つは「統合型企業のジレンマ」(The Integrator's Dilemma) という概念、もしくは構造的問題とよぶべきものだ。

「利益プロファイル」についてはキヤノンのインクジェットプリンタ(BJ)事業の事例が取り上げられる。BJ のスペックやランニングコストデータの時系列分析から、獲得利益の拡大を目指すのみならず、市場での競争環境や競合との関係に即して獲得利益の圧縮することをも含めて、製品の内部構造において付加価値を移動すなわち「利益プロファイル」を改変することの可能性が示唆される。

「統合型企業のジレンマ」は日本の時計産業に起きた事象を通じて議論される。日本の時計メーカーはクオーツ式時計のイノベーションで市場を先行した。ところが、
 基幹部品の内製化→コストダウンを目指した取組み→
 部品生産の経済規模が社内需要の規模を上回る→
 部品の外販化(=外販事業は企業収益に貢献)→
 競合他社も同じ部品を使用→完成品市場での競争激化→
 完成品の収益性が悪化
という状況に陥った。こうした流れは時計産業だけでなく、近年のデジタル家電市場などにおいても容易に類例を見いだせる。各時点での意思決定/アクションには経済合理性があるがゆえに、「ジレンマ」なのだ。

本書では上記の概念や問題について、子細に分析がなされている。また他の事例でも興味深い問題が提示されている。他方、収益化につなげる具体的なHow To は提示されていない。しかし本書で提示された概念を熟慮し、そのHow To を考えることこそが、読者に課せられた宿題であろう。企業において研究開発(R&D)活動や技術経営に携わる者、もしくは技術経営論や研究開発論を学ぶ学生・研究者には必読というべき良書だ。
収益化に失敗した事例が多い ★★★☆☆
イノベーションの収益化の問題に先行研究と独自の研究をまとめた本

残念ながら,製品を考える上で当然の設計寿命など,学術上では発見でも
実務では当然の内容に1章を割いていたりして全体の内容の信憑性が
落ちている.
豊富なつっこみ所と失敗事例の多くから,収益化をもたらすための
ヒントになるのではないかと思う.



稀に見るMOTの良書 ★★★★★
仕事上技術経営(MOT)について議論することが少なくないのですが、日本のMOTにかかわる書籍のほとんどは、流行の域を出ていないように見えます。

この書籍はその中でも例外といえる作品です。
イノベーションを収益化するための明確な答えまでは導かれていませんが、洞察が深く、実務家がしっかり読めばそのヒントが得られます。

また、前半部分にMOTとして知っておくべき知識がわかりやすい事例とともに紹介されている点も評価できます。値段は安くありませんが、その価値は十分にあります。