ニニ・ロッソの日本盤のCDは殆どが80年代のデジタル録音の音源が使用されているが、このアルバムは60年代のオリジナル録音が収録されたものである。世界的に見てもここでしかCD化されていない曲がある点は貴重である。

しかしイギリスでも8位まで上昇した彼の最大のヒット曲「夜空のトランペット」は、"Flashback-I Grandi Successi Originali""Il Silenzio"などの輸入盤ではリアル・ステレオで収録されているものの、この日本盤は音の悪い疑似ステレオなのである。価格も発売された91年当時の、バブル価格のままである。

それにしても彼のCDの数多くを書いている、宮本啓のライナーノーツは、誠意に欠ける上に事実誤認、デタラメの記述も多く、読むに耐えない。よくこの程度でプロの評論家が務まるものである。