甘い調べに満ちた一枚
★★★☆☆
なにより、曲の選択がいい。ラテンの名曲「ラ・コンパルサ」、トニー・ベネットの「マイ・メランコリー・ベイビー」、ジョン・レノンの「アンド・アイ・ラブ・ハー」からエリントンの「ソリチュード」まで。脈絡がないようだが、美しい旋律を持つ曲ばかり。ピアニストのジョン・ディ・マルティーノは、ロマンティックな弾き方をする。それで、「ロマンティック・ジャズ・トリオ」なんだろうか。変な命名ですね。相当なお年のはずのドラムスのグラディ・テイトの若々しいプレイも光っている。それこそ、日本人好みの「甘い調べ」に満ちた一枚。(松本敏之)