大いに勉強になる
★★★★★
児童の作品例が実によい。巻末の後書きも,図工指導のあり方について,大いに考えさせられるものである。
現在「教え込むよりも,子どもの発想を大切にしましょう」という声のもと,ほとんど指導をすることもなく,子どもを野放しにしてしまいがちな教員は実に多いように感じる。
私は,子どもの発想やら工夫やらというものは,粘って粘って熱中して,その上で「ここにはこんな道具を使いたいなあ」「こんな雰囲気にしてみたいなあ」と出てくるものだと考えている。また,指導者にそこまでする姿勢と腕がなければ,子どもの『工夫したい』という声など,到底拾えないし,言わせることも出来ないと思う。
作品の指導方法も,誠に心強い書きぶりである。この本に,もっと早く出会いたかった。