あまぎみちひとがペンギンクラブ誌上で掲載した漫画の単行本化。
コンビニで購入できる媒体という事もあり、同作者のコミックス「むちえろ」よりかはソフトな描写である。
その為、そちらから作者のファンになった人にとっては物足りないかもしれないが、読み込んでいくとそんなコンビニ誌の制約の中で頑張っている印象を受けたりします。

作者の特徴である肉感的な女の子が全編で、初々しくもいやらしい反応をしています…幾つか例外がありますが。
シチュエーションは前出の通りコンビニ誌なので、過激なもので３Ｐになります。
突飛な行動はないように感じますが…特有の色っぽさがありますね。

収録されている12話の中で、私が最もいいと思うのは「姉妹っ子クラブ」…これは先ほど例外にあげた作品で、男の子のほうが受ける形になります。
といっても絡むのは少女…マゾ性癖がフューチャーされた作品になります。
男の子といっても容姿は女の子と大差ないのでマイルドに仕上がっておりますが、この単行本では随一のアブノーマルさを漂わせています。
話のオチもまずまずといった感じ。

その他にも男の子が受ける話もあり、女の子の心情にむずむずする話もありと、読める作品が多いです。
しかし筆者の性癖と比べるとジャストミートとはいかない（姉妹っ子クラブ除く）ので、☆四つの評価となりました。

　★４の中。
　著者の処女短編集。

　破天荒でカタブツな風紀委員長の女生徒は、実はエロ中だった…『風紀長、参る！』。
　姉と妹のにコスプレ調教される弟のエロ中系『姉妹っ娘ハウス』。
　親友(♀)を兄ととりもとうと奮闘しすぎる妹のお話『華那におまかせ！』。
　従兄妹が一線を越えるお話『冬籠もり』。
　兄にとことんラブラブに突貫する妹のお話『召しませ愛情』。
　幼馴染みな男女生徒が眼鏡をきっかけに急接近するお話『夏色眼鏡』。
　妹とカレシのプラトニック空間を、グチャドロに掻き交ぜる姉のお話『SUMMER SOLSTICE』。
　憧れだった義兄との距離が開いてくようで不安な妹の罰ゲームなシアワセポエム『兄スキ！』。
　意を決して図書室に赴く男子生徒が遭遇したのは、意中な女生徒のひとり激えっちだった…『淫の匂いに誘われて』。
　陸上バカな女生徒が卒業前の想いを込めて先生のもとへ一直線な突貫をかけるお話『告白強想曲』。
　兄にエロエロ攻撃をしかける妹の年越しラブ『受験とコタツと妹と』。
　ほか、描き下ろし漫画２頁。カバー内にチビキャライラスト入り作品余話アリ。

　まるキ堂に初期の琴義弓介を足して２で割り、さらに思いっきり萌えのコーティングをかましたようなデフォルメポエムティックなキャラデが超魅力的ですが、個性が勝ちすぎて読み手を選ぶかもしれません。

　正直、ペン入れに慣れてないのか、一部の作品では線のガタツキがかなり目立ちます。

　でもそんなことより、思いっきり自己主張の強い尻と乳とちん○んと、溢れまくるフェチ感覚が素晴らしすぎ。

　漫画展開はまだ独りよがりな部分も多いけど、一瞬に輝く乙女チックな心情描写もステキです。

　『冬籠もり』『兄スキ！』『夏色眼鏡』『召しませ愛情』が超大好き。

　既出のエロ漫画とはあらゆる意味で一線を画する、オリジナリティーが傑出した一冊。

　フェチとオバカとポエムを愛する方へ。