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特務艦隊 (文春文庫)

価格: ¥840
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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銛一家の大河ストーリー 完結? ★★★★☆
C.W.ニコル氏の描く大河ストーリーの完結?編。
訳者あとがきで次作の予告に触れているので、完璧な完結ではないかもしれないが、銛一三郎の若き日の活躍を描く物語としては完結編であろう。

日英同盟を背景に対独参戦した日本海軍が、地中海に艦隊を派遣し、哨戒や護送の役割を担ったことは、恥ずかしいことだが知らなかった。第一次大戦での日本の役割は南太平洋のドイツ領をどさくさにまぎれて占領したという程度の認識しかなかった。
史実に基づき、フィクションを構築していく困難な作業を、見事にニコル氏は成し遂げている。どうして日本の歴史教育ではこういった側面は取り上げられないのか。愛国、自虐どちらの史観でもかまわないが、事実は事実として紹介されるべきではないか。
前々作「盟約」では背景が暗いと感じた。本作ではその暗さが薄まり、日本海軍の、そして日本海軍の一仕官である三郎の活躍が気持ちよく読める。日本海軍はそれほど他国から尊敬と賞賛を得られたのかと。三郎個人の描写については、成長に伴い内面の葛藤が吹っ切れたからか。

シリーズ全作を通じて、「日本人」としての誇りを持つことを外国生まれの著者に教えられた感がある。この国に生を受けたものとして、確かに省みなければいけない点もたくさんあるのだろうが、同じように誇りとしなければいけない部分を見つけ、次の世代に伝えていかなければならないと強く感じる。
我が祖父と第二特務艦隊 ★★★★★
 第一次世界大戦において、日本海軍はどのような活躍をし、どのような犠牲を払ったか、ほとんど知られていない。この小説は、日英同盟に基づいて第二特務艦隊を地中海まで派遣した、その史実に基づいて書かれた小説である。

 しかしながら、この小説は単なる歴史小説ではない。テンポの良い冒険活劇でもある。読み始めると一気に読み進んでしまう。この小説は、「勇魚(いさな)」、「盟約」、「捜敵海域」に続く物語であり、できれば「勇魚(いさな)」から読んでみると「特務艦隊」に至る背景がわかり、小説の面白みがさらに増す。そして、如何に日本が奥深い文化を持った誇り高い国であるかよくわかる。

 ところで、私事であるが、この小説に私の祖父が実名で登場する。祖父は、第二特務艦隊の駆逐艦榊の乗務員として九死に一生を得た。榊がオーストリア海軍の魚雷を受けたとき、5分の違いで艦橋から機関室に移動し助かったのである。船は、機関室の後ろ3分の1を残し、一瞬のうちに吹っ飛んでしまった。

 生前、祖父は第二特務艦隊の犠牲者の墓があるマルタ島へ、墓参へ行くことを切に望んでいた。しかしながら、その願いを果たすことなく、失意のうちに亡くなっている。祖父が亡くなった50年後、小説の中で祖父の夢を果たすことができた。祖父も喜んでくれていると思う
血が騒いでしょうがない ★★★★★
前作の「遭敵海域 (文春文庫)」に次ぐお話。私はその前の「勇魚(いさな)〈上巻〉」「盟約 上 文春文庫 ニ 1-4」を読んでいないのですが、読むつもりです。
「遭敵海域」は地中海派遣前、「特務艦隊」は地中海派遣後です。凄い臨場感とキャラの濃さから、是非にもお薦めです。特高警察とかも出てくるし...

「盟約」は日本海海戦の話らしいのです。
元々、水上艦の戦いには興味が無かったのですが、アレグサンダー氏のシリーズを読んでユトランド海戦の雰囲気に痺れたので今度も期待しています。