どうして涙が出るんだろう
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どうして聞いているだけで涙が溢れてくるんだろう。この人の曲はいつもそうだ。
所詮アニメのサントラなんだ、なんて自分に言い聞かせてみても、溢れ出て止まらない涙を拭うハンカチの役目も果たさない。
暖かくて、優しくて、悲しくて、切なくて…………何故か、安心する。
誰かに抱かれているような印象がある。笑顔をくれる。
そういう曲が詰まったサントラだと思った。
聴いていて、なんだか胸の中がとても窮屈な、へんな感じを憶えた。我ながらおかしな感性だが、きっとそう感じるのは僕だけではないはずだ。
ひとりぼっちで泣きたくなったとき、うつむいて、顔を上げることもできないような悲しみに打ちひしがれたとき、聴いてみてほしい。きっと、そばにいてくれる。
アニメも毎週観てた。当時やってたアニメで一番好きだった。
終わったばっかりだけど、サントラ聴いてまた観たくなった。ありがとう。
心持ちに寄り添って、響いてくる楽曲
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今回のサウンドトラックはemotional sideとswingin' sideという2枚組になっています。前作 スケッチブックのサントラ以上に村松健さんのアルバムという雰囲気が強くなっていています。
スケッチブックではかなり以前に作ってきたコンセプトをもう一度出せて、それがまだ十分楽曲として提供できたわけですが、今回はこれまでなら作ってこなかった部分の領域の楽曲も作れたとのこと。かつて、トーンが落ち着いたいわゆる負の感情を表現しようとしてうまくいかなかったものがあったのですが、今回は「紅」という作品の登場人物の心持ちに寄り添って、うまく作り込まれたのではないかともいます。
音楽だけで構成され、ライナーノーツも全曲手がけたという意味で、村松健さんの最新作といっていいものに仕上がっているはずです。
ただ、サントラとして楽曲を見ると、多少ズレが…と思える部分もあるのですが、それは映像を作る側との関係でもありますので、サントラそのものとしての評価を変えるものではないと思います。