詳細だがやや読み辛い文章
★★★★☆
米国特許に関するあらゆるテーマを網羅的に詳説した書籍で、内容の充実ぶりは他書の追随を許さないものである。
しかし、もともと米国弁護士の書いた英文の翻訳文であるため、文章がやや翻訳調となっており、生硬な印象をぬぐえない。
とはいえ、随所に英語の表記がカッコ書きされており、翻訳や実務上ぶち当たった米国特許の専門用語を索引で調べることができるのはたいへんありがたい。
よりコンパクトな類書としては丸島敏一氏の『MPEPの要点が解る 米国特許制度解説』があり、こちらの書籍はタイトルどおり解りやすくポイントを絞った解説書となっており、普段の実務ではこちらの方が使いやすいかもしれない。
ただし、本書の価値はその詳細さと事情をよく知る米国人弁護士が執筆に関与しているという点であるので、余裕があればそろえておくに値すると思う。