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フィールドガイド 小笠原の自然―東洋のガラパゴス

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 古今書院
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小笠原に自然を俯瞰したいならこの本がベスト ★★★★★
小笠原は東洋のガラパゴスと呼ばれている割にはその観点での本が少ないが、本書はその観点を強く意識して編集されており、小笠原の、特に地上自然を俯瞰するには最適な書である。

この本は特に序文がすばらしい。都立大加藤英男さんが書かれているが、小笠原の自然と人の関わりが簡潔に述べ、戦後の日本返還後の自然破壊に警鐘をならしておられる。そして、慧眼の士として2点述べておられる。1つ目は、小笠原は自然あっての観光であり、自然保護を前提としない観光はあり得ないこと、2つ目は、固有種や天然記念物は自然が長年月を掛けて造り上げてきた貴重な作品であり、名人の鉄なる国宝や重要文化財が珍重され保護されるのと同様に大切に守られなければならない、点である。

本文の各パートもその考えで編纂されており島の自然を俯瞰できる。章立ては、自然の招待、自然観察モデルコース、歴史、地質、植物層、鳥類、昆虫、化石などそれぞれの分野で簡潔に纏まっている。南十字星の話が見えるとか、それぞれ分野の人でないとかけない文章だ。また、トレッキングコースの解説もあり時間の限られている人の計画立案には好適だろう。ただ、本書は1992年と古くそのときのスナップショットとして参考にした方が良いと思う。なお、海中に関してはアオウミガメだけで、小笠原の海を取り巻く自然については増補が望まれる。