和の心が彩る
★★★★★
深夜ドラマ『新撰組 PEACEMAKER』のタイアップ曲としてアルバムに先駆けてリリースされた本作「風がめくる頁」は、ドラマの世界観を継承した和の風情あふれる曲となっています。表題曲としては初のTsunehito作曲となっており、爽やかでどこか懐かしい和風メロディアスな疾走ロックに加え、笛や尺八などの和楽器が趣深さを増しているなどいい意味でのメジャー感が清々しい仕上がりとなっています。間奏ではDの曲には欠かせない、Ruizaの流麗なギターソロも聴けるので演奏面も楽しめます。アクティブにグイグイ動き回るベースも非常にカッコいいです。
通常盤のみ収録c/wの「我が敵は我にあり」はASAGIとTsunehitoのふたりで作曲したヘヴィーな大和ロック。Tsunehitoのテクニカルなスラップやギター陣の激しく重いリフ、弾き倒しまくるような渋いギターソロは従来のDの得意とするジャパメタ的アプローチとして完成されています。
古典で武士道を語る歌舞伎のようなASAGIのヴォーカルと詞は、曲のもつ江戸時代ごろの世界に引き込んでくれます。
今作は先行シングルカットということで、2曲とも聴きやすい良作となっていて完成度が高かったです。
インディーズ時代に発売した「桜花咲き染めにけり」より和の雰囲気も濃くしっかりしていて、クオリティも増していましたので和製ロック好きにも薦められる作品になっているかと思います。