他に内田伏一先生の 位相入門は問題が多く解説もばっちりで良かったのですが、抽象化された説明ばかりで、具体的な解説があまりなく想像力のない私には理解した、という満足が得られませんでした。
他に解説が良く書かれた本とセットで読んで、やっと理解できるかなという感じで何冊も読む余裕がないと位相空間の理解は難しいんだとあきらめていました。
しかしこの本は一冊で十分な解説と練習問題が載っており、工学系でこの手の数学を実際に利用せざるを得ない身には大変助かるものでした。
位相への30講と読み比べても具体的な解説に遜色なく、練習になるよい
問題も多く載せられているいると思います。
どちらかというと値段でこの本を手にとってしまったのですが。
先生がHPを公開されているのもとてもすばらしいことだと思います。
その理由は、まず図形を用いてできるだけ具体的に説明しようとしてくれていること。何度も同じ説明を繰り返してくれるために頭に残ること。また、中学からなじみのあるユークリッド空間の説明から始まり、距離空間、位相空間というやさしい概念から抽象的な概念へとゆっくり進むため理解しやすいこと。さらに例や問いが豊富にあり、そのすべてに解答があることが良い。(ただし演習問題には解答はない。)
他の本で集合・位相が難しいと感じたなら、ぜひこの本を手にとってみることをお勧めしておきます。