ウエストサイドストーリーサウンドトラック
★★★★★
映画の曲順をできるだけ忠実に再現しているところがgoodでした。
原曲をムードミュージックのようにアレンジしているのとか、他の人がカバーしているのを求めてはいなかったので
ぴったりでした。
子供たち(5歳2歳男の子)も大好きでドライブのお供に最適です。
ベネズエラの指揮者グスターボ・デュダメルがプロムスで演奏したウェストサイドストーリーの
バージョンもほしいのですが、こちらは見当たりません。
サントラの王道
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この作品ほど、劇場体験を要求される映画はないでしょう。
TVやビデオで観てても、機会があって劇場でやっていれば飛んでいきます。
そしてシネスコ大画面に感動したあとは、このサントラです。
劇場鑑賞後の追体験にはもってこいのオイシい内容です。
セリフも入っていたりして、サントラの醍醐味が味わえます。
ただの追加盤ではありません
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15曲収録盤に未発表音源を追加しただけと思ったら大間違い。
「プロローグ」…イントロに口笛、街の喧騒や車のクラクションが入り、長くなった。
「体育館でのダンス」…マンボとセリフ(特にトニーとマリアが出会ったシーン)が入った。
「トゥナイト」「クラプキ巡査への悪口」「アイ・フィール・プリティ」「ひとつの心」…イントロにセリフが入った。
このような変更と未発表音源の収録で、より映画のシーンが思い浮かぶ内容になっていると思います。
また、リマスタリングにより、音の臨場感が増したように感じました。
既に15曲収録盤を愛聴されている方でも、追加購入して損はないのではないでしょうか。
現代でも考えさせられるこのミュージカルの根底に流れるもの
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レナード・バーンスタインが生み出した最高の音楽がこの『ウエスト・サイド物語』であるのは、万人の認めるところです。アメリカ人として最高の指揮者であり、偉大な作曲家が残した最大の功績は、人種差別をテーマにしたミュージカルを残したということでしょう。ジャズとクラシックとポップスを融合し、愛すべきナンバーを残しましたが、アメリカの闇に光を与え、彼の音楽とジェローム・ロビンズの踊りで生き生きと浮かび上がらせたこの映画は後世に残るステキな功績でした。サウンド・トラックを聞いているだけで映像が浮かんできます。
ユダヤ系アメリカ人のバーンスタインでなければ為し得なかった作品だと思います。プエルトリコ移民と、白人だけれどもイタリア移民(オリジナルはポーランド移民)の子孫の対立という人種の坩堝と呼ばれるアメリカ・ニューヨークのダウンタウンでの1950年代を生き生きと描いています。ロバート・ワイズ監督・製作のこの作品はアカデミーで全11部門を取りました。
「トゥナイト」「マリア」「アメリカ」「クール」「アイ・フィール・プリティ」「サムホエア」など愛してもやまない名曲揃いです。作曲家の力量の高さは質の違った音楽を的確にシーンごとに使い分け、音楽だけで登場人物の心情を明確に描き分けたことに表れています。
決闘前では様々なナンバーが入り乱れ、対位法的な手法を使いながら登場人物の心情を吐露させる音楽の質の高さこそバーンスタインの真骨頂でしょう。
若者の鬱屈した心情、閉塞感は現代日本にも通じるものがあります。だからこそ今、振りかえって眺める必要があります。
哀しいエンディングを描きながら、通奏低音として流れているのは愛の大切さで、込められている熱意は普遍性を持って輝いています。
バーンスタインのライフワーク
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バーンスタインは、一連の曲をずいぶんと大切にしていたようです。映画のための録音では、彼自身の音楽性がすべて発揮されなかったという思いもあったようで、最晩年に、キリやカレーラスを招いて全曲の録音をし直したという経緯もあります。この映画や音楽に思い入れのある方は、そちらの録音も是非お聞きになってはいかがでしょうか。メイキングのビデオもおすすめです。