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平民社の時代―非戦の源流

価格: ¥3,150
カテゴリ: 単行本
ブランド: 論創社
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平民社結成百年の記念に、意義ある書 ★★★☆☆
 わたしは、本書を『日清・日露戦争』(岩波新書)に引
用されていたので、知りました。そういえば、10年位
前にあるパーティで、著者にお会いしたとき、「今でも
幸徳秋水やってるよ。」と言っていましたね。迂闊でし
た。
 本書は、最近整理された岩崎革也文書を使って、平
民社の結成・解散そして日本社会党の結党と結社禁
止という初期社会主義の動向と合わせて、週間・日刊
平民新聞の財源や会計の実態を探ったものです。わず
か3ケ月で破綻してしまう日刊分はともかく、週間の平
民新聞にとって、明治政府のとった罰金、収監、印刷
機の没収などの弾圧が、大きな負担となったのがよく
分かりました。
 もう一方、副題にある非戦の源流についてはいかにも
書き込み不足という感じがしました。日露戦争について
は、日韓の近代史を協働で見直すなかで新しい視点が
提起されており、これに反対した平民社の人々の意義
も見直されてよいと思います。
 本書には、論文で紹介された資料が併録され、丁寧
な文献ガイドと合わせ、初心者に親切な構成になって
います。著者によれば、社会主義研究会の会員は増
え続けているとのこと、大変結構なことだと思います。
そういえば、文中に「かわいそう」とか「さびしい」という
言葉が何度かありました。著者の人柄が伺われて、心
温まる思いがしたことを付記しておきます。