言葉と病気の関係
★★★★☆
著者は消化器科の医師なので、主に胃腸の不調のケースが取り上げられていますが、
うつ病についても書かれています。
やわらかい語り口で、とても読みやすい本でした。
1、2日で読破できる内容なので、不調の方でも気負わず読むことができます。
「毒になる言葉」、「薬になる言葉」が具体的に記されていてわかりやすいかったです。
(巻末の「薬になる言葉」であげられていた「大丈夫!」などは、人や状況によってはか
えって相手に軽く受け流されたように感じてムカツク、というケースもあるので、一概に
良いとはいえないと思う部分もありましたが・・・。)
対処法や実践のアドバイスも充実していて、即、実践に結びつく良い内容でした。
ただ「言葉で自己イメージを変える」のは、簡単そうですが、そうそう簡単には行えない
ものです。
毎日、アファーメーション(宣言文)を唱える、毎日、心に肯定的イメージを描くと
いった、地道な努力が求められます。
自己肯定のテクニックに関しては、自己啓発書(私のお勧めはマルツ博士のサイコ=サイバ
ネティクスですが、他にも ジョセフ・マーフィーなどが有名です)を参考にすると良いと
思います。
心と体の言葉
★★★★★
私たちは、7,8年前から「家族・子育て」について勉強会を続けています。家族に問題をかかえている者、生き辛さを感じている者、仕事上理解を深めたいという者それぞれの動機をもつメンバーで月1回集っています。今この本をテキストに勉強しています。やさしい言葉で書かれていて、すとんと胸に落ちていきます。来月の集いにはp.98の「自分を知るためのミニワーク2 ジェノグラム」に沿ってメンバーそれぞれが自分のジェノグラムを書いてくることを課題にしました。皆さんも是非お読みになってみて下さい。
学校の先生や心理の専門家にぜひぜひ読んでもらいたい
★★★★★
私は教員をしています。不登校の生徒や保健室登校の生徒達が訴える言葉とこの本に載っている言葉よく似ていてとてもびっくりしました。病気で気持ちを語っていることが本当に理解できました。声なき声を聞くこと耳と体を持つためにも、ぜひ人に関わり人は読んでください。
こういう本を待っていました
★★★★★
自分の経験から漠然と思っていたことを見事に解き明かしてくれた一冊です。
悩んだりストレスを抱えたり不安定になっている時期と胃腸やアトピーなど身体の不調を抱えている時期は不思議と重なるもので、
でも当人は「次々と問題が重なって、運の悪い人生だ」と片付けてしまいがち。
この本ではそんな「原因不明病」に対し、言葉→心→身体のつながりに原因を見出します。
それも気とか免疫のように目に見えにくい世界ではなく、「胃腸」。
著者は内視鏡手術では全国トップクラスの実績を持つ消化器内科の権威。
その著者が「胃腸」という、動きがはっきり見えるもので裏付けてくれるので素人にもよーっくわかります。
相手を傷つけ、追い込む言葉。逆に癒し救う言葉。
たくさんの患者さんの具体的なエピソードを交え、毒となる言葉から身を守る方法や言葉で傷ついた人への接し方まで教えてくれます。
文章自体はとても平易。
第一章、第二章は専門的だから飛ばしてもいいとまえがきに書いてありますが、全編通して一気に読めます。
各章の終わりにあるミニ・ワークでは「うつ病の自己判定」や「ジェノグラム(家系図みたいなもの)」、「WAI技法(文章を作って自分自身を知る)」といった自己分析のメソッドが紹介されていて、かなり使えます。
悩んでいる人だけでなく、身近な誰かを助けたい人にも是非読んで欲しい良書です。