掲載作品は210余点と充実し、絵をはじめとして夢二が最初の妻たまきに“港屋絵草紙店”で販売させた封筒、便箋など、グラフィックデザイナーとしての才能を発揮した作品の数々も目にすることができる。
そして嬉しいことに、特別付録として「夢二画集 春の巻」の復刻版、幸徳秋水宛葉書、「宵待草」色紙、夢二郷土美術館蔵の「逢状」の原寸大レプリカまで付いている。
夢二の絵を決定づけた数々の女性関係を交えて夢二の人生をたどり、作品の書かれた背景に話が及んでいるので楽しめる。
それにしても、なぜ夢二の描く女性は時を越えてこれほどまでに人を魅了するのだろうと、古き良き大正時代に想いを馳せてしまう…