実録・西洋暴走族
★★★★☆
映画にもなった伝説的なゴンゾー(ならずもの)ジャーナリスト、故・ハンタートンプソンの代表作。60年代中期に書かれた本書は、トンプソンが、これまた伝説的なバイカー集団「ヘルズエンジェルズ」と真っ向から渡り合った快著。血とガソリンと酒と大麻と精液の臭いが入り混じった、むせかえるような時代の空気感をそのまま真空パックしたかのような異様な迫力をもっています。トムウルフの「クールクールLSD交感テスト」、エドサンダースの「ファミリー」と併せて読まれるべきニュージャーナリズムの古典。
飯田隆昭氏特有のぎくしゃくとぎこちない訳文(この人の訳文はディックやバラードの訳でも賛否両論ですね)も噛み応えがあって(w)自分は好きですが、山形浩生氏あたりの訳でも読んでみたい一冊です。