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アラウンド・ミッドナイト (紙ジャケット仕様)

価格: ¥2,500
カテゴリ: CD
ブランド: EMIミュージック・ジャパン
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ストリングス過剰。ジュリーの本当に好きな方のみお薦め ★★★☆☆
ジュリー・ロンドンのアルバムの多くは、かの「彼女の名は~1&2」と「ロンリー・ガール」を除けば、くどいアレンジのフルオーケストラが付き物。

1950~60年代のオトナ向けポピュラーらしく、この盤もストリングスたっぷり。時には混声コーラスのてんこ盛りで過剰演出サービスしてくれてます。今となっては古臭さが先立ち、聴き手を選ぶアルバムであるのは否めない。

選曲がA級スタンダードメインなので、「ロンドン・バイ・ナイト」ほどB級な泥臭さはありませんが、渋い名曲(「ラッシュ・ライフ」「ベッドで煙草は~」)でもヴァースを省いてたりしてるところに、「コマーシャルな軽さ」を感じてしまう。この2曲はヴァースがあればこそ格調も高くなるのに、もったいない……

「サムシング・クール」なんざ、バックコーラスが「やり過ぎ」です。オリジナルのジューン・クリスティとピート・ルゴロ楽団のクールで爽やかな味わい、その足元にも及ばない。
ともかくこのオケの弦の使いまくりは好き嫌いが出るだろうなあ。

とはいえ、ジュリー本人の歌には文句なし。おなじみのハスキーヴォイスを堪能させてくれてます。

「あなたと夜と音楽と」は、ジュリーの良い意味の素っ気なさに、オケのノリが合ってスマートな仕上がり。「ハウ・アバウト・ミー」「ザ・パーティーズ・オーヴァー」はジュリーの気怠い歌とオケの力の抜け加減が同調して、良い出来。

全体に見ても、頑張り過ぎのオーケストラが却ってジュリーの足を引っ張ってるのが残念なアルバム。ジュリーを愛するオールドファンか、ストリングス入りのムードオーケストラに理解のある方には、お薦めか。