赤穂浪士 [DVD]
価格: ¥4,725
東映が創立10周年記念映画として製作した忠臣蔵映画。東映としてはこれが4本目の本格忠臣蔵映画であり、監督はこれが3度目の登板となる松田定次。主演の大石内蔵助には59年版に続いて片岡千恵蔵が扮している。赤穂浪士の吉良討ち入りが、56年版同様に大佛次郎の原作を得て描かれていくが、今回は堀田隼人(大友柳太朗が56年版に続いて当たり役を演じている)の比重は軽く、また吉良上野介(56年版に続いて月形龍之介が熱演)の配下である千坂兵部(市川右太衛門)と大石が旧友であるといった新解釈など、設定としての無理も目立ち、さすがにもう打つ手なしといった感は拭えない。ただし時の東映オールスターキャストの厚みという意味での充実度は高く、このスケール感は今の日本映画界では絶対に醸し出せないことを思うに、やはり映画が娯楽の王者であった時代の産物として必見の作品ではあろう。(的田也寸志)