Maria Bethania晩年の名作になる
★★★★★
このアルバムは、Maria Bethania晩年の名作になると思う。
2009年プロジェクト・アルバム2作同時リリースの1枚。
悲哀を帯びたサンバを中心に、ノルデスチの作風を取り入れ、
トラディツショナルなブラジルサウンドに仕上げた逸品。
『ENCANTERIA』と言うアルバム名の通り『魅惑』のサンバ集。
マリア・ベターニアの新作は、良いに決っている。
みんなの知らないアーティストを探したい私にとっては、
確実に素晴らしいと分かっているアルバムは、
面白みに欠けるのですが、この人だけは違います。
前作のオマーラ・ポルトランドとの競作に続き、
素晴らしい作品を精力的に発表し続けています。
注目はM-5で、兄カエターノとジルベルト・ジルが参加、
それぞれが、大御所のアーティストにも関わらず、
気心が知れているせいかそれぞれが、
リラックして競演しています。
このアルバム、一番のお気に入りです。
ベターニアの歌唱力は、説得力があり、
飾らないサウンドなのに輝いている。
全11曲・33分と物足りないところが、
気になりますが、内容は濃い。
しかし、正直あと10分ぐらいあっても・・・。
新譜を聞く毎に深みを増す彼女は、
これからもブラジル音楽の重鎮として、
長く活躍してほしい。