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NHK、鉄の沈黙はだれのために―番組改変事件10年目の告白

価格: ¥2,100
カテゴリ: 単行本
ブランド: 柏書房
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時の流れを考えると ★☆☆☆☆
まずあまりにも時間がたちすぎていて、「今さら何を」と思わざるをえない。根本的にNHKがあまりにも偏った内容の番組を制作して、放送しようとすることが問題では。反対に大東亜戦争を賛美する番組を作ったら、どれだけの圧力がくることだか。NHKは公共放送である以上、公平中立でなくてはならない。そのことをNHKで制作している人達が認識していないことが問題だと思います。
大変スリリングな展開で読ませるし考えさせられる ★★★★★
制作者の意図を無視して改変を余儀なくされたテレビ番組。
その背景には政権の圧力があったのか。それとも主因はNHK に蔓延する悪しき体質か。

本書は「問われる戦時性暴力」と題したNHKの番組が,改変させられたのではないかという問題で、
当該の番組に最も深く関わったプロデューサーが、自省と悔悟の念を持って記したノンフィクションである。
大変スリリングな展開と、率直な物言いは、読ませるし考えさせられる。

本書では、NHKや、民放キー局、テレビの現場で持ち上がる、様々な問題点が様々浮き彫りになる。
編集権は誰にあるのか。
強い個性のキャスター、司会者、コメンテーターの“単純化された”“わかりやすい”解説で視聴者はミスリードされてはいないか。
NHKの職員や、民放キー局の社員と、下請けプロダクションの人間にある甚だしい収入格差が何か問題を引き起こしてはいないか。
予算の承認権や、放送免許の認可権を持つ政治権力との関わりはどうあるべきなのか。

勇気を持って告発に臨んだ著者に敬意を評します。
『考えなければならない問題だ」と言って思考停止に陥らぬように自戒する日々です。
勇気ある「告白」に心うたれました。 ★★★★★
 地方都市の市議会議員をしています。
 実名でこのレビューを書くことによって困ったことはおきないか、と一瞬ためらったあと「ああ、なるほど、これか。」と思いました。
 事実や、本当の思いを語るよりも、目先の利益、自らの保身を優先する。その結果、組織が腐っていくのを誰も止めることができない。本当は、そこを乗り越えるところから、主体的な生き方、人間を大切にする社会が作られていくのに、と、口で言うのは簡単ですが・・・。

 勇気を持って真実を語られた、稀有な本であると感じました。結果として永田さんがそういう決意をすることとなった、様々な人たちとの出会い、体験も豊富に語られています。

 蛇足。権力を持っている人たちのあり方で、問題の深刻さはけた違いになります。たとえば、安倍、故中川のようなタイプの政治家が幅を利かせていることに、怒りを感じます。
やっぱりNHKは嘘つき! ★★★★★
10年前に友達と受信料を払ってるか、どうかで、話している時に、この問題がおきました。
以来ずっと、関心をもってきましたが、この本を読んで、当時、朝日新聞に書かれて
あったことが事実だったと、はっきり確信できました。
新聞を読んだり、テレビを見ていると、いったい何が、本当なのか、
ますますわからなくなり、誰が、ほんまのこと教えてくれるんか、
歴史の事実をなんで、こんなにねじまげるんや!と腹がたって、
そのうち、安倍さんが総理大臣になった時は、日本も終わりやなぁと思ったほどです。
著者の永田さんは、自分に、自分の人生に嘘をつかないで、大変立派だと
思いました。こういう方が、日本の放送を引っ張っていって、欲しかった。
口をつぐんでいる元上司たちよ ★★★★★
著者の永田浩三さんは、改変された番組(問われる戦時性暴力)のNHKのプロデューサーでした。上司の命令に従い、番組をずたずたにカットしてしまいました。後に朝日新聞の報道や長井デスクの記者会見に刺激され、裁判で知っている事実を語り、左遷され、早期退職しました。

政治家がNHKに圧力をかけ、NHKがトップレベルの判断で番組を改変したのは事実でしょう。しかし政治家は見え透いた嘘をつき、NHKは圧力など受けなかったと言い張り、NHKとマスコミ各社は朝日新聞を袋叩きにして、一件落着としてしまいました。

あの事件はいったいなんだったのか、理不尽な圧力を受けた時、人はどうふるまうべきか、権力者の無恥な行為がどれほど人を傷つけるのかなど、さまざまなことを考えさせられました。

この事件では、最終的には全ての大手マスコミが権力者に寄り添って隠蔽に加担しました。魚住昭氏が公表した朝日の取材記録も、皆で黙殺し、無化してしまいました。なんと不様なこと。この国はどこまでいんちきなのでしょう。

永田さんが勇気を振るってこの本を書いてくれたことを高く評価します。残念ながら永田さんはNHKのトップや政治家と直接話しをしていません。それは永田さんの上司たちでしたが、そろって口をつぐみ、一部の人は既に墓場へいってしまいました。

今も口をつぐんでいる人は、ぜひ事実を話して欲しいです。それは日本を良くすることに資するでしょう。権力者に振り回され、嘘つきのまま死んでゆくのは残念だと思いませんか。