一つの道を全うした人の言葉は重い
★★★☆☆
第1章・2章は子供達に野球を指導している人(もちろん実際に野球に取り組んでいる人自身も)に参考になりそう
第5章は往年のプロ野球ファンから現在のファンまで、とても興味をもって読める
また、お酒の席で野球・バッティングについて語る我々素人にも色々なヒントを与えてもくれる1冊だ
しかし、この本で本当に面白いのは張本氏自身が3085本ものヒットをどの様に打ってきたか、そこに至る過程を書いてくれている所
細かい事は読んでのお楽しみだが、著者は首位打者のタイトルが確定した夜も素振りをしていたと書かれている所を読んだときは、やはり、1つの道を極める人は才能だけではないのだなあ、と改めて思い知らされた
実際に野球をプレーしている人はもちろん、一野球ファンでもとても面白く読める本として、お勧めする
野球好きなら楽しめる
★★★★☆
バッティング理論を中心とした書物であるが、それ以外にも、プロ野球選手としての心構えや精神論が書かれている。したがって、プレーヤーや指導者以外の人でも、野球好きなら楽しめる。テレビでも辛口のコメントが売りのような感じがあるが、本書でも厳しい言葉がみられる。
いつもの調子のハリさん節。一体いつになったら封印は解かれるのか
★★★★☆
んー、真新しいことは、ほとんど無いんですね。著者のテレビで言っている事や評論、著作を知っている人には。
本書でも何処でも著者は常に日本のプロ野球に「恩返し」と称して「警鐘」を鳴らし続けていますが、イマイチ響かないのは、著者自身が「封印」を解いていないからではないだろうか。
「努力」というフレーズは、実践してきたものが口にする場合「崇高」である。そこに疑問やいわんや反論などない。
だが「崇高」であるが故、大体において凡人には届かないのが現実である。
また凡人には「数字」なんて届かない事も自明であろう。凡人に届くのは、「成績表」ではなく、「あの時代、あの時、あの一瞬の名勝負であり、一発」なのだ。
そして「あの人間、あの男」なのだ。
誤解を恐れず言えば、打率4割であるとか、4000本安打よりも、「背筋の凍りつくような、時間を止めるような一発や逆転打」を凡人のプロ野球ファンは望んでいるのだ。
学校、会社で「数字」に追われ、家庭でも「収入」という数字に追われているしがない我々凡人のプロ野球ファンが、好きなプロ野球までも「選手の数字」で納得しろとは、哀しすぎるではないか。
今ここで著者に反論すれば、ファンにとって「感動こそ選手の人格」である、という事だ。
3000本安打も首位打者7回も極貧の生い立ちも、著者はもう散々語り尽くして来たではないか。そして我々ファンもそれを「読み尽くしてきた」し「知り尽くしてきた」し、更にそれら著者の努力に「頭を垂らし続けてきた」のだ。聞き飽きたというわけではない。聞く度に襟を正すような話ばかりである。ただ、著者にはまだ語っていない「真実」もあろうと思うのだ。
韓国の選手も日本のプロ野球で活躍している現在。そろそろ本当の「開かれた」プロ野球の為に何故「張」ではなく「張本」だったのか、著者自身が語る時期に来ているのではないだろうか。果たして著者の「封印」された「人生」の「壮絶さ」に「感動をしたいという要求」は、ファンとして「傲慢な要求」なのであろうか。そして、勿論私見だが、著者しかできない本当の「プロ野球に対する貢献・恩返し」はそこにあるのではないか、と思う。野球界はまだまだ「閉じている世界」なのだから。
通りすがりのバイオ研究者
★★★★★
打撃論に関して持論を展開していたり、往年の名選手
に対して分析している箇所も面白かったが、著者自身
が特筆すべき成績を残したのは、古くなった
言葉ではあるが、ハングリー精神を持っていたからでは
ないかと感じた。
とにかく貧しさから脱するために死にものぐるいで
野球に取り組んだ姿勢には感動した。現役の選手に
、もっと練習しろ、とエールを送っているが、
人並みはずれた努力をした著者だからこそ言える
言葉だと思う。
野球にあまり興味がない人が読んでも楽しめると思う。
単純に面白かったので評価を高くした。