包括的で多様な意見
★★★★★
バングラデシュという国を様々な角度からとらえた本。
入門としても、そこそこ知っている人も勉強になります。
様々な執筆者が関わっており、本1冊として偏りはない。
悪く言えば方向性がバラバラとも言えなくはないが、
それこそ、この本のいいところである。
一つ挙げるとすれば、出稼ぎ労働者である。
バングラデシュに行き、感じたのは雇用が足りず、人が余っているということ。
実際職を求めて国外に出稼ぎに行く労働者は2008年で約88万人いる。
そして国外からバングラデシュへの送金総額は90億ドル(約8100億円)にのぼる。
バングラデシュの名目GDPは約894億ドルだからその大きさはとてつもないほど大きいのが分かる。
徐々に緩まってはいるが、人口増加が止まらないバングラデシュにとっていかに雇用を確保するか、
という問題は非常に重要な問題である。
ちなみにこの本はエリア・スタディーズというシリーズで各国同様の本が出ている。
興味のある国の本を読んでみるのは有意義だろう。