キーパーのネタ本として便利!
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もともとの英語版リリースからそれほどたたずに日本語翻訳版が出版されました。
本書の特筆すべき点は、掲載数量とジャンル、そして探索ネタですね。いわゆる『神』から、吸血鬼、ゾンビ、野獣に物体Xまで、多種のモンスターがあふれかえっております。旧神を出すのはいい加減飽きたという不届きなあなた、大丈夫です。当分シナリオネタに困ることはありません。それに、いろいろでっち上げた資料や出土品のイラスト類が各所についていますので、図書館の蔵書や日記の中身を作るときの手助けになる親切設計。
これが、ありがたいことに日本語で読めるのです。少々値段は高めですが、過去のサプリメントから考えてもお買い得だと思います。
あと細かいところでは、モンスター掲載はあいうえお順に並び替えてあるので、探しやすいです。
マレウス・モンストロルム !
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この本はクトゥルフ神話RPGのソースブックです。
この本はCoCのゲームに使う「モンスター」のデータを掲載したもので、神格、神話生物、その他伝説の生き物、ただの生き物などが400体近く掲載されています。
その中にはアザトースやミ=ゴといったおなじみのもの、野獣や膨らんだ女のように人によっては思い出深いもの、トリフィドやウィッカーマンのように「これで映画をつくれば大ヒット間違いなし!!!」なもの、その他「なにこれ?」なものなど様々です。
個々の「モンスター」の項目はそれに関わりのある小説(場合によってはゲームなど)の引用に始まり、
解説やゲームのデータが記されています。
(このあたりは基本ルールと同じです)
この本の特筆される特徴はビジュアル面です。
ルールブックとは異なりクトゥルフ神話関連の存在の直接のイラストはありません。
かわりに「○○年だれそれ作」といった解説をつけて実在のものと見せかけて作った(ということにしておきたい)絵画や写真、彫刻といったものが多数収録されています。
(例:歌川国芳の「人が合体して人になってる例のアレ」を元にしたと思われる「蟲が合体して人になってる」絵)
それらは神話生物の「実在」を示すもので、独特のふんいきを持ち込んでいます。
このあたりは「ハンドアウト力に定評のあるケイオシアム」の本領発揮といえるのではないでしょうか。
「CoCのシナリオには『謎生物』が必須」「むしろそれさえ決めればシナリオできたも同然」くらいの方には、この本はいくらでもシナリオを作り出すことが出来る魅惑の書でしょう。
それ以外の方でもおもわずランダムエンカウントを作って
「ゆうこうてきなパズズがあらわれた
たたかう
みのがす」
というようなことがやりたくなる面白い本…かも?