業務プロセスを丹念に追った企画は良いだけに、惜しい
★★★☆☆
同じ著者の本「内部統制の実務」でも感じたことですが、主要業務別にリスクやコントロールが並べられており、その1つ1つは確かに参考にはなります。しかし、こうした書物の読者は原材料仕入とか、販売といった1つの業務に関心があって読むのではなく、会社等の業務にあわせて10とか15の関係する業務について読んでいくものではないでしょうか。であれば共通部分とその業務に特有の部分が容易に判別でき、管理部や内部監査室など内部統制に関係する人々が効率的に数多くの業務のリスク発見やコントロール確立にたどり着けるように、レイアウトも含めてわかりやすく書いていただけると良かったです。
章ごとに文字で長々と説明する部分がちょっと多いですね。業務フローが似ていればリスクやコントロールも似てくるのかも知れませんが、同じような記述が複数の章で登場し冗長でかつ平面的な感じがします。また、図表の使い方も効果的ではありません。
ここまで業務ごとに詳しく記述した類書がないだけに、惜しいという意味も込めて評価したいと思います。