インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

親鸞の教行信証を読み解く III証・真仏土巻 (親鸞の教行信証を読み解く)

価格: ¥3,780
カテゴリ: 単行本
ブランド: 明石書店
Amazon.co.jpで確認
にわか勉強の成果? ★★★★☆
 「正直に言いますと、性根を入れて証巻を読んだのは今回が初めてです」(10ページ)。

 なかなか正直です。筆者はこの講義のためにかなり「にわか勉強」を集中的にやって「目から鱗が落ちる」ような発見をしたという。こういうところは私もあって、けっこう締め切りなどに追われるといい仕事ができてしまったりするのでよくわかる。

 証巻の眼目は本願成就によって得られる証果(さとり)そのものではなく、「証果を成就せしめる根拠」を明らかにすることだということに気がついたそうである。「親鸞は証巻を通じて、阿闍世(凡夫の代表)のような仏弟子が生まれてくるのは本願の働きである、・・・往相も還相も根拠はすべて浄土にある。・・・証果ではなく根拠を明らかにする、それが証巻の役割です。」(14ページ)

 真仏土巻についても同様のにわか勉強をしたらしく、「その間に大きな鱗が二枚ほど眼から落ちました」(124ページ)とある。「『専修念仏の教えは逸脱どころか、仏教の理念を最も現実的に具体化しているものである』ということが真仏土巻の役割である」(132ページ)という結論に達したようである。

 この二巻は著者にとって苦手な領域のようであって、位置づけに苦労が見られる。