一貫した姿勢。これもひとつの「見識」
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「本書はあくまでも教育や礼拝等実践的場面における使用を意図しており、歴史研究のための煩瑣な情報は極力省略しました(略)多くの優れた学問的労作が出ておりますので、関心のある読者はさらに学びを進めていただきたいと思います。」(「あとがき」より)。
要するに、「教職の指導の下じゃないと使えませんし、本文の意味を知りたければ、ご自分で専門書を探してください」という宣言です。
原書(は現在でいうパンフレットにあたる)が発行されてから、およそ500年近くが経ち、竹森訳が出てからも、既に半世紀近くが経っていますが、「本文」に関する註解は一切ありません!!。「口伝」というすばらしき伝統をお守りになる姿勢は、これはこれであっぱれでしょう。
聖霊のお力と教職の指導に恵まれた兄弟姉妹のみなさんも、聖句(新約・旧約)参照の「煩瑣な労」(半端じゃないです!)を省くためにも、せめて「証拠聖句付き版」をお求めになることを強く強くお勧めします。
なお、キリスト教(プロテスタントの教理)に興味をお持ちでも、教会に通っておられない方が、いきなり本書を手にされても、躓きの石となりかねないので、お止めになったほうがよいでしょう。