全体的にはまずまずだが・・・・
★★★☆☆
まず最初にお断りしておきますと、私はロザリオとバンパイアという作品を全く知らず、純粋に昔のアイドルのカバーを聞いてみたいという動機でこのCDを買いました。従って、原作を知っている方から見ると違和感のある意見を書くであろうことを、予めお断りしておきます。
私は原曲を8割方知っているオッサン世代ですが、非常に懐かしい気持ちになりました。人によっては違う曲調で歌っていますが、カバーですし、声優たちの魅力を出せば良いのでこれはこれでありだと思います。半数以上の曲が魅力的に仕上がっていました。個人的には水樹奈々の曲は全てお勧めです。
残念だったのは、良曲が多いのに、一部にぶち壊し屋の曲が混じっていたことです。こやまきみこの曲が酷かったです。きっと原作の演出なんでしょうが、アイドルのカバーを純粋な立場から楽しみたい立場からすると、マイナスポイントは大きいです。もう一つ不満だったのは、いくらカバーといえど全く原作と異なる方向性の声優起用によるカバーはどうかと思います。中森明菜のカバー曲、スローモーション(釘宮理恵)がそうです。
こういう点を総合的に配慮すると、私は3点をつけます。私が挙げた残念な点がどの程度許容できるかは、人によって違うと思います。
最後に、私はAmazonで買いましたが、私のような人をターゲットにするなら、このCDのパッケージは敷居が高いような気がします。
ターゲットが不明確
★★★☆☆
ざっと聴いて水樹奈々が工藤静香と中森明菜と松田聖子のカバーを歌ってて優遇されてるなー、とか盛り上がってたんですが、ずっと聴き続けるうちに微妙な気分になりました。
水樹奈々がカバーしている3曲は歌い方まで元の歌手そっくりですし(特に"DESIRE"の歌い方は笑ってしまうほど中森明菜を意識しています)、釘宮理恵の"Say Yes!"もちょっと菊池桃子っぽい歌い方なんですが、これ、「ロザリオとバンパイア」のキャラクターソングとして出す必然性があるのか疑問です。
みんなプロの声優なのにわざわざ物まねっぽく歌うことをそれぞれのファンの方が期待しているとは必ずしも思えませんが。カバーするんだからそれぞれのパーソナリティで原曲を消化したほうがそれぞれの声優ファンも喜ぶのではないでしょうか…?
全体的にアレンジも歌い方も原曲に忠実というかコンサバティブです。
80年代アイドルファンからしても「懐かしいなー」とは思ってもだからといって別に「ロザリオとバンパイア」の販促につながるとは思えませんし。
いったいどの層を狙って企画したのでしょう。
制作サイドが80年代アイドルをオマージュしたかったというのが本当のところなんでしょうね。
私としてはコンサバティブ路線に面白味を感じない中、こやまきみこの「寂しい熱帯魚」でのキャラ声がサビでボコーダーを通したような面白い歌声で新鮮味を感じました。このアルバムの個人的ベストテイクです。
2009/6/20追記:
"1980年代の""アイドルソング"というところでみると、特徴は2つあると思います。
(1)CD出始めの頃で、メディアとしてのダイナミックレンジの広さに着目した録音が多かった。あまりコンプレッションがかかっていない音。(通常の殆どの音量レベルが現代の録音よりも小さい)
(2)アイドルですから音程が微妙、もっといえば人によっては寂しい気分になる人もいました。
これを念頭に置いてこのアルバムを聴いてみると、企画意図はさておき、音作りはやはり典型的な2000年代の音ですね。コンプレッションは積極的にかけてます。また声優の歌声には徹底的にピッチ補正がかかっています(音程の微妙さは殆どありません)。
いい悪いというより好き嫌いの世界だと思いますので評価は避けますが、購入前に参考にしていただければ。
懐かしくて新鮮
★★★★☆
一番新しい曲でも20年前くらい。すべての原曲をリアルで聴いていた人は30半ばは過ぎているでしょうね。歌がモノマネに走っていない点は評価できます。また福圓美里さんと斉藤千和さんの声と歌い方が80年代アイドル的だったのは意外な発見でした。古くても良い曲を発掘するこのような企画はとても良いと思いますが、すでにシングルカット済みの曲を多く収録している点でマイナス1です。