適応障害やストレスからの症状の回復目的だけでなく多くの方に読んでもらいたい良書
★★★★☆
私も長く強い適応障害をもっておりました。
ただ病名を宣告された時期が20年近く前だったこともあり、病名についての知識はもちろん、本書のようなわかりやすく、アドバイスも豊富な読みやすいやわらかい本はなかなかありませんでした。
医学の素人が精神医学の難しい本を読んでも、専門用語や論理に徹した表現が多くて、理解不足や思いこみで反対に辛くなってしまうことが多いと私個人では思っています。
本書は素人と玄人の垣根を超えて、やわらかくそしてわかりやすく表現がされていて難しい表現はちゃんと飛ばせるようにもなっています。
何度も拝読して、発症したあの頃にこれと巡りあっていたらなあ…と思わずにはいられませんでした。
昨今は高名な方のご病名として少なからず認識はされていても、ストレス系の症状とか神経関係の病、精神関係の病というと、まだまだご本人はもちろん周囲の方々は大変戸惑われると思います。
でもちゃんと「適応障害は完治するものだし、誰でも100パーセント発症の確率があるもの」ということを強いメッセージとして専門医(それも毎日クリニックで働く先生ご自身)が堂々と言われていることに、勇気づけられる方は多いのではないでしょうか。
それだけではなく、昔からかなりの割合でかかるストレスの病の1つなのに、いまだニューフェイスの病というとらえられ方をしていることからも、あまりにも精神神経や心療内科関係の患者さんへの間違った思いこみや理解不足が強くあるように思います。
もっと多くの方に広く読んで頂きたい良書だと思います。
ただ、いくつかの症例の方の治癒の経過やその後についての記載がもうすこし詳しくあってもよいのではと思います。患者目線としては安心感がもっと持てると思います。
もっとこういった専門書ぶらない「町の先生が書かれたやわらかいこころのための良書」が増えてくれると、ご本人の闘病経験も、その周囲の方の見守り方もやわらかくなるのではと思います。
買って良かった
★★★★★
今までいろんな本を読みました。適応障害について詳しく書いてある本にやっと出会えました。私自身が適応障害で本を読んでから気持ちが楽になりました。
良書です。
★★★★★
私にとって珍しいほどいい本に巡り合いました。
ハッキリ確定できるストレスを持った該当する者にとってありがたい良書と思います。
広い範囲に渡って、詳しく解かり易く述べられています。
さすがストレスクリニックの専門医の良さが出ていると思います。
適応障害の軽症のうちに読むとよいかも
★★★★★
実際的で役にたつ本だと思い、症状に思い当たる人には、
おすすめです。
「適応障害」は比較的新しくストレス疾患と
して命名されたニューフェイスなのだそうです。
例えば、クドクド説教するイヤな教師や上司がいてその人がストレスになり、
それが原因で、学校や職場に行けなくなったりします。
行かなくてもよい(ストレスから遠ざかる)状況になれば病状が消え、
回復するとしたら、「適応障害」の可能性があるそうです。
うつ病や不安障害は、原因となるストレスから遠ざかっても、症状は消えない
のだそうです。
「こうすべき」「こうあるべき」という水準が
高く、能力のあるマジメな人、「良い性格の人」ほどこの病にかかりやすいらしいです。
「適応障害」にならないためには適応するのをやめること
だそうです。ただ、それができたら苦労はないのですが……
「適応障害」は適切に対処すれば完治する病だそうです。
以下は、本書についていたのですが、
中井久夫さんの言う「健康な心」です。
・ 自由に分裂する能力
相手や場所に応じて人格が二重人格どころか、自在に分裂し対応できる
・ 両義性に耐える能力
例、子どもの母親であり同時に男性にとって「女」である
・ 退行し(子どもに戻り)エネルギーを補給する能力
・ 問題を未解決のまま保持する能力
・ いい加減なところで手を打てる能力 他
もし詳しく(正確に)知りたいと思われたら
本性をご参照くださればと思います。
ただ、書物を読むことがクスリのかわりにはなるわけではないので、
強い症状の出ない「適応障害」の軽症(傾向)のうちに読まれると
(病状悪化の)予防、早期回復の役にたつと思います。
適応障害に絞ってある良い本です
★★★★☆
適応障害の原因のひとつは「まじめすぎる」事だそうだ。
適応障害について学べるだけでなく、まじめである事がどんな良いこと、辛い事を
生じさせるのか?考える糧になってくれる本だと思う。もっとも、基本的には
マジメすぎ反対の立場が、この本です。もっと楽しい事、気持ち良い事、あいまいな事
といった「人間臭さ」(文中ではエロスと呼ばれています)に目を向けることもまた、
動物の一面をもつ人間には大切なのかもしれませんね。