やまおやじの声を聞いてみよう
★★★★★
名前とは不思議なものだ。
雑木林のクヌギは、伐採と新芽の成長が繰り返されると、幹がふっくら太くなる。
新芽は切り株の外側から生えてくるので、やがて中心部はポッカリと口を
あけたような穴ができる。その姿は、見る人に色々なものを連想させるだろう。
もし、不安な気持ちを持った人がみたら、魔物に見えるかもしれない。
これを「やまおやじ」と名付けた人には(作者の今森さんでしょうか)
自然への温かなまなざしを感じ取ることができますね。
「やまおやじ」と聞いて、改めて幹の太ったクヌギを見ると、
妙な親しみを感じるし、口のような穴から「やあ!オラの森へよくきたな」
といった声が聞こえてきそうだ。
やまおやじの林では、四季を通して、様々な命のめぐりあいがある。
写真家の今森さんは、そこに30年近くも通っているとのこと。
読者は写真を通して、やまおやじの視点でうつくしい自然の姿を堪能できます。
雑木林にいって「やまおやじ」と語り合いたくなりました。