どれほどの思いだったか、想像もできない
★★★★★
第二次世界大戦の戦記物というと、とっつきにくい先入観がありましたが、すんなり入って行くことができました。
それにしても著者の記憶力の素晴しいこと。ビルマ戦記がありありと想像できるほど、細かい部分までも再現されています。
その悲惨さ、無念さ。悔いがないかどうかなんて、後世の私たちが軽々しく云々できるものではありませんが、敵と戦った末のことであれば、少なくともご本人にとっては、そうだったのかも知れません。
でもそうではない。むしろ病死、餓死、衰弱死などで、あまりにも多くの命が失われたことを、初めて知りました。遠い異国の地で家族とも離れてたった独り、どれほどの思いだったでしょうか。
戦争を体験した方々とお話をするときの参考になれば、という気持ちで読み始めたのですが、もっと厳粛な思いで、他の本も読んでいきたいです。