“the other side”……むこうがわ。
ことばなく（いや、ところどころにあることはある）すすむ世界の展開、あるいは関係。
窓の、ドアの、飛行機の、雑誌の……いや、あらゆるもののむこうがわは
いったいどんな世界なんだろうか。
作者バンニャイは、ページからページへ、ひとつだけ切り結ぶものを配しつつ、
ときとしてシュールに、ときにはかわいらしく、さまざまに読み手に揺さぶりをかける。
読み手の常識的なものの見方を、みごとに裏切るように挑んでくる。

なのに、どこかで世界は繋がっているということを、きちんと絵が語っているのだ。
自分のまわりの世界を、あなたはどう見ているの？どんなふうに見えるの？と、
問いかけられて、ちょっと背筋がピンとした。