キャリアブームの疑問が解消された
★★★★★
近年のキャリア開発ブームには疑問があった。
学生のときから、明確なキャリアをイメージして
自分に合う仕事、そうでない仕事を峻別できる
人間こそ「できる人」というのは本当なのだろうか?
しかし、現実を深く知らない段階で立てられた
キャリア計画というのは全くの幻想でしかないように
思われる。
地道に業界のやり方や会社組織を理解し、自れを知る
というキャリアがもっと評価されるべきだと感じる。
昨今、キャリア志向を食い物にするビジネスが増えている。
この書を読んで、自分も焦らなくていいということがよく
わかった。計画が立たないときは無理せず、流れに
身を任せてドリフトすればいい、ということを改めて
気づかせてくれた。
確かにためになりましたが・・・
★★★★☆
キャリアというとなんだかエリートにしか使えない言葉だと考えてしましますが、
人が生きていくうえで大切なキーワードだと思いました。
内容については他のレビューの方と同じで、わかりやすく、自分にもすんなりと
あてはめて考えたりすることができ、より深い自己分析にも役に立ちました。
ただ、さすが大学の先生らしいというか、言い回しが小難しいです。。。
もうちょっとフランクな文体だと
”仕事の選択を許されている一部のエリートだけではなく
「働く全ての人」に対して”
伝わりやすいのではないかと思います。
参考になる
★★★★☆
私自身の性格が生真面目なせいか、「キャリア」について
毎日のように根を詰めて考えてしまい、それだけで疲れて
いたことに、この本を読んで気付きました。
考えることは大事だけれど、その行為自体を目的と
してしまうと大変にきつく、自分自身を追い込んでしまって
いたのだと、やっと思い至りました。
私のような生真面目な方は是非読んでみてください。
長期的な「キャリア」の概念を再度考える良いきっかけに
なると思うので、女性の方が読むととくに示唆に富むと思います。
この値段でこの内容、本当にありがたいです。
入社動機の再構成 自身の棚卸し
★★★★★
「流されることさえも楽しめる
余裕をもった人生やキャリア」を満喫したくないか?
バウンダリーレスな人材になるための戦法
人間の発達が静態的なマッチングでダメージを受けるってホント?
金井壽宏さんが推奨する、発達が止まらない
「キャリア・デザイン」「キャリア・ドメイン」
この考え方を理解していれば、その後、
偶然に流されることも有効だし、楽しめる、とのこと。
そもそも、どうやって今が節目だと、気がつけばよいのか?
四つの契機があると金井さんは言う。
漠然と業務を続け、日頃
「禁考」しながら自動操縦の人は、
出題される様々な問いに答えながら読み進めてほしい。
就職活動中の学生に、面接や仕事についての
相談を受けますが、初めて社会の門をくぐる人も、
長い期間、同じ会社に在籍している方も、
「なんか霧がかかっているようでよく見えない」という、
ドン詰まり感がある人々も、
立ち止まって考える時は、是非本書と共に。
節目論、デザインとドリフト、セレンディピティ
★★★★★
本書のメッセージを煎じ詰めれば、以下の一文になる。
「節目のときだけには絶対に強く意識してデザインすべきものがキャリアだ」(21P)
読み進めていくうちに、
金井先生の「伝えたい思い」が伝わってきた。
その時点で本書は成功だと思うし、
他の方に勧めたい一冊だ。
キャリアデザインとキャリアドリフトの概念は役立つ。
簡単だし、実践しやすい。
また個人の成長は自らの努力以外にも、
他者との出会いによって促されるし、
それは思わぬ異動など、偶然性が影響することがある。
これがセレンディピティでこの概念も職場をサバイブするには有り難い考え方だと思う。
内容豊富で読者によって色々な捉え方、役立て方があるはずだが、
未だに多くの人に読まれるのは、
とても大事なアイデアがきちんと整理され、
著者の思いが詰まっているからだろう。