[縄文時代を科学する]という名前には値しない本です
★☆☆☆☆
この本を、本屋では研究書などの棚でなく、読み物の棚においているところもあります。
科学すると言う言葉から、根拠や理由を示して結論を出し、結論の妥当性を他の側面から確認して主張している研究本と予想してしまうと、がっかりします。
読み物としておもしろいかどうかは、個人の好みが入るでしょうが、古代の鉄と神々(真弓 常忠)や古代の製鉄(山本博)の方がおもしろく、引きつけるものがありました。
専門家の定説に、素人でも自分の興味と見方で独自の説を述べて良いと思いますが、それなりにもっともらしい論理展開や検証を示したり、その主要な部分については1つ2つは他説・他人の説を紹介して、それがどうおかしいのかを記載しないと、読んでいても何も心に響きません。
友人が実験したら鉄のように見える粒がいくつかできたということと、その原材料はどこにでもあるというと言うことだけで、縄文時代を科学するという副題を付けるのは、あまりにどうかと思います。