収録曲名を挙げると、(楽師たち ディヴェルティメン 弦楽のための組曲 フランツ・リストのためのオマージュ ベラ・バルトークのための墓碑銘 ゾルターン・コダーイへのオマージュ カントI カントII カントIII カントIV ハープと弦楽のためのバラード フィンランドの神話 オストロボスニアのポルカ)となっている。
ラウタヴァーラの弦楽オーケストラのための作品をすべて収録したアルバムであるが、そのためかなり作曲年代が広範に渡っており、異なった作風の作品が楽しめる。
初期の作品に属する「楽師たち」「ディヴェルティメント」「組曲」などは軽妙な音色でややおどけた楽しい音楽となっている。
後期になるにつれて憂いを帯び、どくとくのオレンジ色を放つようなエネルギーを帯びてくる。
カントⅠとカントⅡは自作の3幕のオペラで用いた音楽を転用したもの。
後期の作品といえるカントⅣあたりではいよいよゆったりと熱をはらむあの特有の作風が出てくる。
ハンガリーの作曲家へのオマージュ・シリーズともいえる楽曲が3曲収録されているが、これは私の好みでより後期らしい風合いの出ている「フランツ・リストのためのオマージュ」が壮大で気高く、気に入っている。
「ハープと弦楽のためのバラード」ではビステルのハープが彩りを沿えている。
オケの音色はやや硬質かもしれない。もっと柔らかい音色で聴いてみたい気がするがまずは十分な内容。