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ハードワーク~低賃金で働くということ

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 東洋経済新報社
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賃金はアヘン ★★★★★
何でもある豊かな国で能力不足で低賃金労働をしている人たち。望んでいる力を取得すればいいだけだがそれができていない。クルマを買えて運転免許証が取れて欲しい情報を見れるパソコンや携帯電話を取得した感覚をリサイクルすればいいだけ。欲しいものを手に入れた実績がある。そこで負担した手間の感覚や感触を使って才能を伸ばせばいいだけ何でもある豊かな国で盲目になっている一凶は自己愛。先進国の人は与える前に権利をもらう思考がある。そこを越える意識を出せない限り盲目となる。利他して報酬をもらう。人の為に果たした行為の後に豊かになれることに気づけた。
リアルさは楽しめる ★★★★★
ジャーナリストである著者が,自分の略歴を隠して,低賃金の職業に派遣されたりする本。
給食のおばさん(日本では何故か高給だったりする)や,清掃作業員,介護ヘルパー,ケーキ工場の箱詰めなど,基本的には現場作業。
時給900円前後で働く姿は,日本の現代とかぶる部分がある。ただし,日本のそれよりは雇われている側もドライだったりする。流動性は高い。
住まいは公団住宅。それも犯罪多発の団地だったりするので,非常に興味深い。

著者も,ややゆとりをもって取り組んだ企画だったからか悲壮感は少ない。現代日本の雇用問題と比べても,行政の手厚さは感じられる。何とかなっている感じも,無きにしも非ず。

地方行政に関わっていたり,厚生労働省の出先機関に居る人は是非読んで欲しい。リアルな感じぐらいは楽しめる。
英国・サッチャー主義が20年後に遺したもの ★★★★☆
 B=エーレンライク『ニッケル・アンド・ダイムド』(以下『N&D』)に衝撃を受けた著者が英国内で『N&D』に倣って行った、低賃金生活の体験レポートである。
 『N&D』と比較した本書の特徴は、サッチャー政権下で民営化された公共サービスの現状についての報告だろう。病院の機材運搬係、給食のおばさん、介護施設の職員…。競争原理が安価で良質なサービスをもたらすかのように喧伝された民営化も、実際には少数の独占的な大手がカルテル化して請負価格を吊り上げる(本来利潤が見込めない分野に市場原理を持ち込めば当然そうなる)一方、現場の作業はコマ切れにされて別々の下請け会社に委託されるため、職員同士の横の連携が絶たれ、混乱と非効率(例えば病院の機材運搬係は目の前で患者が困っていても手助けが許されない)の蔓延を招いた。むき出しの利益至上主義のもと「効率化」はコストカットと同義になり、結果、低賃金で使い捨てにされる非熟練労働者が人の命にも関わる役目を負わされる。そんな状況の中で必死の努力を続けるまじめな職員の姿が痛々しいが、彼らの努力さえ、今度は「これならもっと人を減らせるはず」という人員削減の口実にされてしまう。
 公共サービスの「非効率」や職員の給与の高さ(どの程度一般的な例を挙げての議論なのか、私自身は常々疑問を感じている)を叩き「企業原理の導入」を叫ぶのが昨今の流行りのようだが、そうした議論に安易に同調する前に、公的機関が自らの責任を放棄して全てを市場原理に委ねてしまうことのリスクも認識しておくべきだろう。日本でも「効率化」「民営化」論の末に地方の病院や郵便局に何が起きたか、ご存じですか?
 期間40日という制限から取材がやや駆け足で、『N&D』の後追い的な要素もあるため評価は星4つとしたものの、社会状況の類似などを考えた場合、日本にとって参考となるのはむしろ本書かもしれない。
体験ルポは貴重 ★★★★☆
 公共部門のスリム化、合理化のもとに公共の福祉が犠牲にされ、市民生活の根幹が破壊されていく現実を描写した秀作。中産階級の女性である著者がよくここまで挑戦できたと思う。彼女は、最終的に変える場所があるから良かったのであるが、彼女と働いていた人たちはその過酷な労働環境の中でひたすら耐えながら働いていかなくてはならない。
 小学校の給食は、サッチャーリズムで入札制に変り、子どもの栄養事情よりもコストが最重視される本末転倒の現象が起こっている。一箇所で数校分の食事を限られた時間と人数で作らなくてはならない現実とその中から抜け出せない労働者の現実がある。それを理解しようとしないマネージャーたち。社会や職場の人間関係は分断され、質は、悪化する一方である。
 本書の中には、ないが、有名な若い英国人シェフが給食革命の番組に出演して、食育をテーマに貧困化した給食の復活を目指している。新自由主義経済の後の反省と回復の兆しが、ほんの少しではあるが、芽吹き始めたのは、うれしいことである。
 しかし多くのハードワーカーの現実は、本書にあるように、まだ冬の状況で厳しく、安心できる状況とは、程遠い。日本も現政権では、この路線を踏襲するようで恐ろしい。
 最後にシモーヌ・ヴェイユやフランスの労働司祭のように現場を体験して自説を主張する人が結構いるのに比べて単なる机上で編み出された主張が多いわが国の状況は、少々寂しい気がする。
低賃金の生活 ★★★★☆
イギリスの話だからと流せないので、読む価値はある。
最低賃金の職場を経験した方法に対し賛否両論なのは、
読み手たちの立場にも関わるのであまり考える必要はないと思う。
世間並の楽しさを与えてくれる店や行動が制限されるその生活と、
上昇出来ない社会構造の状況に衝撃だ。
低賃金労働者の生活に深く入りこむルポにならないのは
その生活が厭だし、自分が当たり前に生活していたレベルを大切にしたい
その正直な本音によると思う。
このことを踏まえて低賃金労働者の生活を上辺でも知ることは無駄ではない。