標準的な教科書ではないが、貴重な本
★★★★☆
確かに標準的な教科書としては分かりやすくないですし、
順序の整った記述でない部分も散見するかも知れませんが、
そうした欠点があっても、この本は非常に貴重です。
低い評価で、この本の価値が誤解されるのを恐れて
あえて、レビュウを書き込みました。
他の類書に説明していない事柄が幾つも載っているからです。
それらは、スペクトル解析を実際に応用する際に湧いてくる
疑問に答える内容になっています。詳しい記述が無い場合
でも、解決の糸口になるような、巧妙な記述が光っています。
私は仕事の中で幾度もこの本に助けられました。
ある程度基礎を勉強して、いくらか実際のスペクトル解析
を経験した段階で、じっくり読む本だと思います。
考え方の基本の記述は決して古びていません。
...もはや「古典」と言っていい本かも知れません。
従って、古典として読めば、現代に応用できる
味わい深いものを感じ取ることができます。
スペクトル解析の辞書
★★★★★
スペクトル解析がどんな分野に利用されているのかを調査するのに最適な本です。
わかりづらい
★☆☆☆☆
この本は,例が豊富なのでスペクトル解析の使われかたを学ぶには良いと思われる.
しかしながら,この本の内容は以下に示す理由によりわかりづらいので,読む際には注意を要する.
1.内容が天下り的であるため.
前半の基礎理論編において,脈絡なくテーマが並んでいる.そしてそれらの内容が後半で十分利用されているかというとそうでもない.
2.説明の順序がおかしいところがいくつもあるため.
たとえば,第2章において``アンサンブル平均''が出てくるが,この定義は第6章において説明されている.
3.著者は説明したつもりになっているが,実際にはそうではない箇所がいくつもあるため.
この本より信号解析入門(越川著)をおすすめしたい.