裁縫が苦手な私が、このような素敵なバッグが作れるか?は疑問ですが、とにかく作りたいという気をおこさせてくれる本です。
このバッグは、どの着物に合うだろう?などと考えてみるだけで楽しくなります。
表紙の「折り紙かばん」は軽めの布で作って浴衣でもったらよいかも、とか。
ミモザ色の菊のような鞄は、かすりのきものに、朱色の鼻緒の黒塗り下駄でもったらかわいいだろうな、とか。
封筒型のかばんは、革で作って通勤鞄の小物入れに使えそう、とか。
いろいろ楽しい空想が膨らんじゃう本です。
ただ。出ている鞄を真似してそのまま作ろう、っていう気力は正直言って沸きません。
だって、作品への手数の投入がすさまじいんですもの。
ビーズにしても、縫い取りにしても、職人の粋。
見開きの「銀鼠の薔薇のバッグ」のコメントに「これはあっという間にできて楽しかった」というコメントがあって。
これ見た瞬間にノックアウトされました。
だって、このバッグ、薔薇の葉にびっしりビーズが刺してあるんですよ。「あっという間」って何?
下田さんは帯への刺繍から、刺繍鼻緒の草履のオーダー、プリント足袋のオーダーまでこの本で披露してます。
ここまで出来るのね、という限界を見せてくれる本でもあります。