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七つの金印 (講談社文庫)

価格: ¥680
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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面白い ★★★★☆
明石散人氏の本は初めて読んだがとても面白かった。小説として十分成立していると思う。
ヒロインのマキの性格について批判的なレビューが多いが所謂ツンデレ(死語?)というやつなので人によってはむしろ好感を持つかもしれない。
内容はとんでもなく凄いが、小説としては…… ★★★☆☆
評論(エッセイ?)の分野においては抜群の切れ味を持っている明石氏ですが、こと小説においては得手とはいえないようですね…。

一人称記述ですが主人公が誰なのかもなかなか分からないですし、短編集なのか長編なのかも3章くらい読まないと分かりません。
主人公の北畠の恋人のマキの性格も破綻しているし(これはこれでリアルなのかもしれませんが、小説の登場人物としてはちょっと厳しい)、築地の明石さんが作者のこと(『アカシック ファイル』などの著者の)なのかまったく別人なのかも良く分かりませんでした。

中盤になって金印の歴史推理に入ってくれば『東洲斎写楽はもういない』のような論文としては面白さが全面に出てくるから読めるのですが、そこまで進むのがしんどいかもしれません。

3ページにも渡る引用・参考文献リストなど、資料を駆使した圧倒的な情報量はさすがではありますが…。もうちょっと小説家としての資質があれば傑作になるのに、と残念ではなりません。

ミステリーではないのでネタバレ気味に書いてしまいますが、ラストになってそれまで積み上げてきたものを一気に突き放すという贅沢さは、まさに知的遊戯そのものといえます。

テーマは興味深い内容だが・・・ ★★★☆☆
主人公の北畠とマキが魅力的でない。外見的にはパッとしない男と美女というデコボコカップルのようだが、特にマキの人をバカにした話し振りはどうしても好きになれない。無論ふたりの会話が中心になるわけで、読みはじめから辟易してしまった。なぜ作者はこんな二人を主人公にしたのだろうか。
ミステリであり歴史読本 ★★★★☆
出羽三山のひとつ湯殿山の旅館に失われたはずの足利義満が授かった金印があった?
マキと僕は金印の謎を追い、歴史の中に埋もれた謎を探りはじめる。

相変わらず明石散人には圧倒的な知識をみせつけられ、大胆な説に引き込まれていく。
この本は紛れもない壮大な謎解きミステリでありながら、金印にまつわる詳細な歴史読本でもある。

いつもながら、多くの文献を憑拠に説を組み立てていくのだが、とにかくその文献が広くにわたること、また非常にレアなことに驚かされる。
そしてあくまで歴史を題材にしたフィクションでもあるので、どこまでが現在確認できることなのか、そのラインの判断が難しくもあり面白いところだ。

その為、読者は謎解きを見せられながらも、同時に謎かけされているようにも思う。
想像と興味をかきたてられる一冊だった。