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海外パッケージ旅行発展史

価格: ¥2,415
カテゴリ: 単行本
ブランド: 彩流社
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観光学というものを考察してみると ★★★★☆
日本のパッケージツアーの萌芽期から旅行開発会社で働いてきた筆者澤渡貞男氏が、大学での観光学を教えるということを意識して編纂された書籍です。言わば大学での講義に際しての教科書と言うべき内容でした。
筆者の個人的な体験が多く披露してありましたが、類書が少ないこともあり、大学での受講生を読者層として限定することで本書の意味合いも一定見えてきました。

まず日本のパッケージツアーの最初として、ジャルパックの事例を披露していました。一定の範囲でその情報は納得するのですが、朝日新聞社が企画した明治41年の世界一周旅行がパッケージツアーの1番始めだと理解していますので、そのあたりの認識の違いに違和感を覚えました。

学生への講義体験を通して、過去の経験を列挙することから、体系的な考えへと導くという手法の有用性から、筆者の知っている個別事例が多く紹介してありました。それはそれで興味深いものでした。
それを通して、現在、業績が上がらず、閉塞感のある旅行事業の展望についてもう少し触れていただければありがたかったです。第5章で「競争激化の時代」というタイトルで、現状分析と経過が記されています。淘汰の厳しさは十分に伝わってきました。そこで何をすればここから脱却できるのでしょうか。その示唆もまた大切な要素ですから。
旅行代理店を通さずにネットで全てを予約する時代になっているわけですから、そこでの差別化が今後もっと重要でしょう。
今日、国内も国外もパッケージツアーの難しさ、特に個々の興味や関心にパッケージが適応しづらい状況下における、将来有効性の高い旅行モデル、システムを構築し披露してもらえれば、読者層も学生だけでなく、旅行業界の関係者まで広がるのにと思った次第です。