コロンビアという国とその社会を虚飾なく描き出す物語
★★★★★
まず、コロンビアに関する本で最初にこの本を読めたことを私は幸運に思います。政治は汚職にまみれ、越境犯罪組織がのさばる麻薬大国としてのコロンビアだけでなく、その冒険心をそそる文化や歴史も感じ取れるような物語調のノンフィクションです。アメリカからコカインの運び屋としてコロンビアに渡り、犯罪組織の中に徐々に組み込まれていきながらも、血の通った人間としての良心を持って生きるケイの目を通して、1970年代のコロンビアの様子が活き活きと描かれています。これは自身を持って誰にでもオススメできる本ですし、読んだら誰でも友達に勧めたくなると思います。