女性に対象を限定した「下流社会」の続編
★★★★★
本書は所得・意欲が低い下流階層の出現を指摘した「下流社会」の続編である。
本書では対象を18〜37歳の女性に限定し、「下流社会」より詳細な議論が展開されている。
各階層別の職業や結婚、消費特性がアンケート調査に基づいて分析されており、
例えば「ファッション雑誌CLASSYを読むのは上流」などぼんやりとは思っていたことを、的確かつ明確に描き出している。
また、女性をお嬢さん系・インテリ系など7タイプに分類(「下流社会」では5タイプ)し、
各タイプ別の上流〜下流割合や行動・消費特性が指摘されている。
身の回りの女性を思い浮かべながら読み進めると、「あ、そうそう!」と議論が腹に落ちるだろう。
「下流社会」ほど注目を集めている本ではないものの、女性の行動・消費特性を階層化という視点で描き出した良著である。
データを用いたプロパガンダ
★★☆☆☆
最近話題の階層社会の一大潮流を作った大ベストセラー「下流社会」の著者による、階層社会の本である。
「下流社会」でも少し感じたが、この著者は下流社会の人間が嫌いで、軽蔑している。他の著書では露骨に出なかったが、この本では活発な人間が良く、「のだめちゃん」的な人間は仕事も駄目で結婚も無理、人生も価値がない(このような人間は自分の駄目さを個性として逃げているらしい)、とか玉の輿的な結婚こそ幸せ等の著者の価値観がデータを伴って押し付けがましく展開されている。(この様な多数派を是とする様は「準ひきこ森」を思わせる)
データも著者の価値観を裏付けるように質問事項が誘導されているような気がしてならない。本は公共性の高いものであり、もう少し客観的で配慮のいったものであって欲しい。くれぐれも読者は本を読むときデータを鵜呑みにしないで欲しい。
ドキっとするタイトルに思わず手が……
★★★★☆
タイトルにひかれて、ページをめくりました。
いきなり、タイプ別分類チャートがあって、ビビリます。
で、やっぱり……な結果にうなずきながら読み進みます。
<人生エンジョイ系・きちんとお嬢さん系・オンナ追求系・インテリ自己実現系・平凡安定系・堅実コツコツ系・脱力マイペース系>
読む雑誌・普段行くお店・好きなブランドなど、具体例があがっているのでおもしろいです。というか、身につまされて怖いぐらいです。
女性は、収入が高い事よりも結婚した事に価値を置いている感じがあります。他の人と比べてもしょうがないと思いつつ、うなずくことばかりです。