非常に映画的
★★★★★
月刊「シナリオ」で賞をとっただけのことはあるといわざるえない見ごたえがある作品。
日常の切り取り方の上手さが光る。
DVDの特典のシナリオを読むと導入部分がカットかれていて、二人が会うところか始まるが、吉岡が封筒から速見にお金を渡すシーンが生きるのは、シナリオにあるように廃品回収の日当を貰うシーンがあることが大事だと思うし、テレクラのシーンがないのもなんとなく気が抜けた感じがする。
しかしかがら、作品全体を被う映画が好きだという空気はすごくいい。工場の休憩室のシーンで人数が減っている部分や、工場の社長が登場し演説するシーンはいかにも映画的だと感じる。
速見今日子の不思議な魅力が感じられて、決して扇情的でないからみのシーンもドキッとさせられる。風貌はどこか竹久夢二の描くお葉を彷彿とさせる。
佐々木ユメカ、冴島奈緒などの脇をかためる女優の存在感もすごくある。まったくもって芸術映画である。